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米マーベル・コミックを題材にしたアクション映画「スパイダーマン:ホームカミング」(ジョン・ワッツ監督)が11日からTOHOシネマズ日劇(東京都千代田区)ほかで公開される。これまで単独で活躍してきたスパイダーマンが、アイアンマンやキャプテン・アメリカらが共演する“マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)”に本格参戦した作品で、主人公ピーター・パーカー/スパイダーマンが15歳と若く、全体に軽快かつポップな演出で、これまでのMCU作品に比べると若者寄りの仕上がりだ。
ベルリンでのアベンジャーズの戦いに参加したピーター・パーカー(トム・ホランドさん)は、アベンジャーズの正式メンバーに認めてもらうべく、今日も高校の授業の放課後、スーツに着替え、ニューヨーカーを助けるのに余念がない。一方、かつて戦闘の残がい回収事業に携わり、その仕事を奪われたことからトニー・スターク/アイアンマン(ロバート・ダウニーJr.さん)に恨みを持つエイドリアン・トゥームス/バルチャー(マイケル・キートンさん)は、ひそかに手に入れたがれきの一部でハイテク武器を開発し、ニューヨークを危機に陥れようとしていた……というストーリー。
フェリー船上でのバルチャーとの戦いで、自ら招いた大ピンチを修復しようとするスパイダーマンには、大いにハラハラさせられた。自分の力を認めてもらいたくて、ついむちゃをしてしまうピーターと、“親心”から彼をたしなめるトニーの師弟関係が見どころで、トニーが思いのほか重要な役割を担っているのは注目すべき点だ。作品を見る前は、主役のホランドさんの“線の細さ”を懸念したが、それがむしろ、15歳という子供以上大人未満の若者にふさわしく、決して精悍(せいかん)ではないが清潔感があり、愛嬌(あいきょう)もあって可愛いキャラクターに生かされている。「シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ」(2016年)の“あの場面”が、いかにもピーターがやりそうなこととしてストーリーに盛り込まれていたり、MCUのキャラクターが姿を見せたりするのも楽しい。スパイダーマンは今後、3作のMCU作品に出演するそうだが、どんな成長と活躍を見せるのか楽しみだ。(りんたいこ/フリーライター)