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世界中で愛されるムーミン一家のパペットアニメーションシリーズの最新作「ムーミン谷とウィンターワンダーランド」(ヤコブ・ブロンスキ、イーラ・カーペラン監督)が、2日から丸の内TOEI(東京都中央区)ほかで公開される。映画シリーズで初めて冬が舞台。到来するクリスマスは「誰なのだろう」と心を躍らせながら準備し、待ち構えるピュアなムーミン一家に心が温まる。
ムーミン谷に冬が近づいてきた。ムーミン一家が長い冬眠につこうとすると、ヘムレンさんが「ムーミンさん、起きろ。クリスマスがやって来るぞ!」と知らせに来る。一家は「クリスマスさん」というお客さんが来ると思ってしまい、おもてなしの準備に取りかかるが……。
小説「ムーミン谷の冬」をはじめ、原作者のトーベ・ヤンソンさんの書いた複数の物語が基になっている。ヤンソンさんが監修し、1978~82年にポーランドのSE-MA-FOR(セマフォー)スタジオで制作されたオリジナルシリーズを、フィンランドで再編集してデジタルリマスター化した。より明るくなった映像で、人形や衣装、小物のきめこまやかな質感まで楽しめる。
ムーミン一家の初めての冬は、雪景色で覆われた森や、初めて聞いた「クリスマス」への好奇心など、ワクワクすることばかり。ムーミンパパが用意したトウヒのツリーに、ムーミンママの真珠のネックレスやお手製のアクセサリーを飾り付けて“クリスマスさん”を待つムーミン一家。その姿が愉快で、なんとも可愛らしい。部屋を片付けてごちそうもつくり、バタバタした後、小さな明かりと共に静かに過ごす一家に、ささやかな幸せが満ちあふれている。
ムーミントロールの声は女優の宮沢りえさん。「死者の書」(2005年)以来12年ぶりにアニメーションの吹き替えを担当した。声優の森川智之さんがスナフキンなど5役、朴★(王へんに路)美さんが13役を担当。ナレーションは女優の神田沙也加さん。主題歌は英語版、日本語版共に、3オクターブを超える歌声が魅力のサラ・オレインさんが歌っている。フィンランド独立100周年記念作。(キョーコ/フリーライター)