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高島彩:アカデミー賞「予想しない」理由は… 自身の思い出の作品も明かす

 世界最高峰の映画の祭典「第90回アカデミー賞」授賞式が5日(日本時間)に米ロサンゼルスのドルビー・シアターで開かれる。WOWOWの生中継番組「生中継!第90回アカデミー賞授賞式」でジョン・カビラさんと共に案内役を務める高島彩さんに、今年のアカデミー賞授賞式の見どころなどを聞いた。

 ◇予想は向いてない

 今回で4年連続6回目の案内役となる高島さんは「今回からは予想はしないです(笑い)。今までは予想しながら見ていたのですが、ふと予想に向いてないと今さらながら気づいたんです。予想と好きな作品の二つが出てしまうので。もちろん、好きな作品が日の目を見たら純粋にうれしいのですが……」と笑う。

 高島さんがノミネートの中で注目作として挙げたのは、まず、美しい男性2人の恋を描いた「君の名前で僕を呼んで」だ。「同性愛を描いていますが、素直な純愛の物語で好きな作品。主演の憂いをたたえた瞳を見ているだけで、吸い込まれそうな美しさがあります」と話す。続いて挙げたのは「ゲット・アウト」。「サスペンスが好き。精神的にじわじわ追い詰められる不気味さがあります。人種差別について、こういう切り口もあったのかと、ハッとさせられました」と振り返る。さらに「アカデミー賞の醍醐味(だいごみ)は、有名俳優がそろう中で、新進気鋭のピュアな“原石”がポンと輝く瞬間が見られること。注目しています」と語る。

 ◇「黒ドレス」は賛同するが作品に注目も

 例年は、出席者の華やかなドレスが話題になるアカデミー賞だが、今年は、大物映画プロデューサーのセクハラ問題に端を発し、セクハラに反対する運動「タイムズ・アップ」の流れから、出席女優たちが運動の参加を示す「黒ドレス」を着用すると見られている。高島さんは「セクハラに対して女性として声を上げづらいことを、連帯して正面から立ち向かう。アカデミー賞でそういう姿を見せることで一般社会に勇気を与える。その行動には賛成しています」と前置きした上で、「ただ、アカデミー賞という映画を知る機会に、そういう問題ばかりに注目が行くのはもったいない。作品にも光が当たればいいと思います」と複雑な心中を明かす。

 さらに「レッドカーペットだけ黒ドレスで衣装チェンジがあるのか、それとも黒ドレスのみで通して、アクセサリーで違いを見せるのか。例年の派手なドレスだけだとファッションの参考にしづらいのですが、そこを見るのもいい機会かもしれません」と期待する。

 当日の自身の衣装について高島さんは「まだ決めてませんが、黒ではないと思います。アカデミー賞を楽しみたいという気持ちが強いので、皆さんが楽しめる空間を作りたいですね。いつも通り、少しでも花を添えられたら」と語る。普段のファッションについて、高島さんは「仕事は華やかなものですが、プライベートでは落ち着いた色になります。つい先日授乳が終わったばかりなので、やっとワンピースが着られますね」と笑顔で話した。

 ◇思い出の作品は「ソフィーの選択」

 映画好きの高島さんに、好きな映画を聞くと、しばらく考え込んでから「『ソフィーの選択』はすてきな作品。大人になる前に見たのですが、その衝撃はまだ残っています。アウシュビッツが背景にあり、ソフィーが選択してしまう結末は、(心に)突き刺さっています。私には3歳と1歳の娘がいますから、悲しさを感じますね。この映画を2人が大きくなってから一緒に見て、感想を語り合うようになれば」と母の顔で語る。

 前回は、アカデミー賞の作品賞の発表で、本来の受賞作「ムーンライト」を間違えて「ラ・ラ・ランド」と発表してしまう前代未聞のミスが起こった。取り違いについて高島さんは「ムーンライトは、キャスト全員が黒人で初めて受賞したという快挙だったのに、そこにスポットが当たらなかったのは残念。1年たって考えると、絶対間違えちゃいけない場所で、ああいうことが起こるんだなと。そう考えると、ちょっとぐらい(本番で)失敗してもいいかと思えて、逆に心強いですね」とちゃめっ気たっぷりに笑う。

 番組の案内役については「こちらも生中継で、ジタバタしても仕方ない。何が起こっても良くて、作品の良さが伝わればいいと思っています」と話した。

 ◇5日午前8時半から生中継

 アカデミー賞授賞式は5日(日本時間)に米ロサンゼルスのドルビー・シアターで開催される。WOWOWでは「生中継!第90回アカデミー賞授賞式」と題して、WOWOWプライムで5日午前8時半から同時通訳で放送。午後9時からは字幕版を放送する。

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