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注目映画紹介:「坂道のアポロン」青春のきらめきを活写 知念侑李と中川大志のピアノ、ドラム演奏も!

 人気グループ「Hey! Say! JUMP」の知念侑李さん主演の映画「坂道のアポロン」(三木孝浩監督)が、10日からTOHOシネマズ日本橋(東京都中央区)ほか全国で公開される。知念さん演じる主人公と、中川大志さん演じる札付きの不良との、ジャズを介して育まれる友情を描いた青春映画だ。2人を温かく見守るヒロインを小松菜奈さんが演じる。3人の互いを思い合う姿に「友達って、やっぱりいいなあ」としみじみ思い、知念さんと中川さんの楽器演奏に感服した。

 昭和30年代の長崎県佐世保市。父を亡くし親戚の家に引き取られた西見薫(知念さん)は、転校先の高校で札付きの不良、川渕千太郎(中川さん)と、千太郎の幼なじみの迎(むかえ)律子(小松さん)と親しくなる。薫がピアノを弾くことを知った律子が、ドラムをたたく千太郎に引き合わせたのだ。音楽を介して友情を深めていく3人だったが、幸せな日々は長くは続かなかった……というストーリー。

 原作は「月刊flowers」(小学館)で連載された小玉ユキさんの同名マンガ。ほかに、ディーン・フジオカさん、中村梅雀さん、真野恵里菜さんらが出演。小田和正さんが、書き下ろしの主題歌「坂道を上って」を歌う。

 女心には鈍感だが、真っすぐな性格で、素行の悪さにもちゃめっ気がのぞく愛すべき不良を中川さんが、心優しい優等生を知念さんが好演。演奏シーンでは、知念さんがピアノ、中川さんがドラムを約10カ月間特訓し、その成果を披露している。

 ふざけ合ったり、けんかをしたり、片思いに悩んだり、年上の人に憧れたり。つらいことや悲しいことだって、友達が傍らにいてさえくれたら乗り越えられる……そんな青春時代のきらめきが、見事に活写されている。

 奏でられる音楽が、ロックでもフォークでもなくジャズというのも絶妙。大人への階段を上る彼らは、ちょっと背伸びしているようにも映るが、その危なっかしさがむしろほほ笑ましく、応援したくなった。文化祭での、薫と千太郎が「マイ・フェイバリット・シングス」や「モーニン」をセッションする場面は見せ場の一つ。軽快なリズムと美しい音色に魅了されること請け合いだ。(りんたいこ/フリーライター)

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