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今週シネマ:8、9日公開の映画 「万引き家族」「羊と鋼の森」「家に帰ると妻が~」…話題作が続々

 今週公開される映画の注目作をピックアップする「今週シネマ」。8日には、先月開催された第71回カンヌ国際映画祭で最高賞「パルムドール」に輝いた「万引き家族」(是枝裕和監督)、俳優の山崎賢人さん主演の「羊と鋼の森」(橋本光二郎監督)、女優の榮倉奈々さん主演の「家に帰ると妻が必ず死んだふりをしています。」(李闘士男監督)、仏女優ジュリエット・ビノシュさんと俳優の永瀬正敏さんがダブル主演した「Vision」(河瀬直美監督)が公開された。9日には、劇場版アニメ「曇天(どんてん)に笑う<外伝>~宿命、双頭の風魔~」(若野哲也監督)が公開される。

 「万引き家族」は、古びた平屋に肩を寄せ合って暮らすある一家の日常を通して、是枝監督が「家族の本質とは……」と問いかけてくるヒューマン作。母・初枝(樹木希林さん)の家で暮らす、柴田治(リリー・フランキーさん)と妻・信代(安藤サクラさん)、治と信代の息子・祥太(城桧吏さん)、信代の妹・亜紀(松岡茉優さん)。一家は、初枝の年金を当てにし、足りない生活品は万引きでまかなっていた。ある夜、治と祥太が“仕事”から帰る途中、ベランダで寒さに震えている少女がいた。見兼ねた治は少女を家に連れて帰る。「ゆり」と名乗るその少女(佐々木みゆちゃん)の体に虐待のあとを見つけた信代は、自分の娘として育てることにするが……というストーリー。

 「羊と鋼の森」は、「2016年 本屋大賞」第1位を受賞した宮下奈都さんの小説(文藝春秋)が原作。ピアノの調律に魅せられた主人公の青年が、自ら調律の道を志し、専門学校を出て調律師として働きながら成長していく姿を描く。北海道の田舎で育った外村直樹(山崎さん)は、高校で出会ったピアノの調律師・板鳥宗一郎(三浦友和さん)が調律したピアノの音に「森の匂い」を感じる。調律の仕事に魅せられた外村は、専門学校に通った後、板鳥のいる楽器店で調律師として働き始める……と展開する。

 「家に帰ると妻が必ず死んだふりをしています。」は、2010年の「Yahoo!知恵袋」への投稿をきっかけに、翌年発売されたコミックエッセーを実写化した作品。3年前、バツイチの会社員、加賀美じゅん(安田顕さん)と結婚した専業主婦のちえ(榮倉さん)。2人は結婚するとき、「3年たったら、これからも結婚生活を続けるかどうか、お互いの意志を確認し合おう」と約束していた。その期限が間もなくやって来る。1度目の結婚が3年目で破綻したじゅんは、心中穏やかではない。そんなある日、じゅんが帰宅すると、ちえが口から血を流しリビングで倒れていて……というストーリー。

 「Vision」は、河瀬監督の生まれ故郷である奈良の大自然を舞台に、男女の運命と未来が交錯するさまを神秘的に描き出している。ある夏、奈良・吉野の山奥に住む山守の智(永瀬さん)は、「ビジョン」と呼ばれる薬草を求めて日本にやって来たフランス人エッセイストのジャンヌ(ビノシュさん)と出会う。言葉や文化の壁を越えて心を通わせる2人。やがて別れが来て、秋になり、ジャンヌが山を再訪すると、智は謎の若者・鈴(岩田剛典さん)と一緒に住んでいた。ジャンヌは次第に、過去の男(森山未來さん)の姿を2人に重ね合わせるようになる……というストーリー。

 「曇天に笑う<外伝>~宿命、双頭の風魔~」は、唐々煙(からからけむり)さんのマンガが原作で、外伝シリーズはその前日譚(たん)、後日譚に当たるマンガ「曇天に笑う<外伝>」を基にした3部作。今作は中編で、2017年12月に前編「~決別、犲(やまいぬ)の誓い~」が公開された。中編では、曇3兄弟・天火の親友である金城白子の物語が描かれる。

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