初のメジャーアルバム「Here We Go」をリリースした小西真奈美さん
女優の小西真奈美さんが、自ら作詞・作曲を手がけ、ヒップホップアーティストのKREVAさんがサウンドプロデュースを担当したアルバム「Here We Go」(24日発売)で歌手としてメジャーデビューした。小西さんは、2016年に舞台「KREVAの新しい音楽劇『最高はひとつじゃない 2016 SAKURA』」で初めてラップに挑戦し、KREVAさんのシングル曲のカバーを配信リリース。17年には亀田誠治さんプロデュースによる楽曲を発表するなど、最近は音楽活動にも意欲的だ。メジャーデビュー作で披露されたソフトなラップと透明感のある歌声が好評の小西さんに、自身の音楽ルーツや意外な作曲法、理想のライフスタイルなどについて聞いた。
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◇音楽の原体験&最近の癒やしの曲は
――音楽を自ら聴くようになったのはいつごろで、どんなアーティストが好きでしたか。
小学校低学年ぐらいですね。小・中学校のころによく聴いていたのは「THE BLUE HEARTS」「ZARD」、もう解散しちゃってたんですけど「 BOΦWY」とか。THE BLUE HEARTSは「青空」という曲を聴いたときに、子供の私でもすごく深いことを歌っているというのが分かり、「こういう歌も作るんだ」と思ってすごく聴き込んだ気がします。ZARDは歌詞もストレートに入ってきて、体育祭とかでも使われていたので聴いてました。
その後、中学校2、3年生ぐらいのときに初めて洋楽をちゃんと聴いたのが、ジャネット・ジャクソンの「Again」という曲。「こんなすてきなバラードの曲も歌ってるんだ」と思って、英語の歌詞をカタカナにしてみんなで歌ったりしました。歌詞の内容に引かれたアーティストもいれば、声が魅力的だったり、サウンドがカッコよかったり、いろいろですね。
――最近はどんな音楽を聴いていますか。例えば落ち込んだりしたときに聴く曲は?
最近、落ち込んだことがあまりないので(笑い)。でも、仕事が立て込んで「疲れたー」ってなったときによく聴いたり、最近聴いていたのは、マイルス・デイビスの曲。ラジオで聴いたんですけど、割と緩やかな曲で「ああ、癒やされる」って。あとはポーター・ロビンソン&マデオンの「シェルター」。それもラジオで知って、ちょっとボーカロイド的なんだけど曲調は切ない、みたいな感じで、聴きながら「ああ、開放されていくー」という感じはありましたね。
◇「自分なりの歌い方と作り方でいいんだ」
――曲を作り始めたきっかけは?
最初はスタッフの皆さんに勧められて、歌詞を書いたり、浮かんだメロディーを書き留めたりしていたんですけど、同時期に、舞台「KREVAの新しい音楽劇『最高はひとつじゃない 2016 SAKURA』」に出させていただいたんです。それで歌の練習日に、出演者の皆さん……「RHYMESTER」のMummy-DさんやAKLOさんといったラッパーの方、総合音楽監督のKREVAさんの前でラップをすることになり、やったら「真奈美ちゃんのラップはすごく独特だからもっとやった方がいいし、作った方がいいよ」って言っていただいて……。
――同時期にKREVAさんの「トランキライザー」をカバーしたそうですが、実際の作業はいかがでしたか。
原曲は結構ビートが速めなんですけど、私が歌う「トランキライザー」のイメージはテンポがゆっくりで、歌をデモでお送りしたら、スタッフさんもKREVAさんも「頭でどういう音が鳴ってるの?」「どういうイメージなの?」ってすごく聞いてくださって。曲の映像的なイメージとか、「ここでこういう音が鳴って、こういう感じで」みたいなことを全部お伝えしたら、皆さんがそれを一生懸命キャッチして、「こういう音?」っていろいろ聴かせてくださって作っていくっていう作業をやったときに、「曲を作るって面白い!」と思ったんです。そうやってレコーディングしていく過程も面白いなって。
――しかも、楽曲を聴いた方々の反応も良かったそうですね。
「今までラップってちょっと苦手だったんですけど、こういう(柔らかい)ラップもあるんだと思ってもっと聴こうと思いました」などの反応があって。それは私にとってすごくフレッシュだったというか、「私ならではの歌い方と解釈で、ラップを聴きたいと思う人たちが増えるなら、それはすてきなことだな」ってすごく思ったんです。「作った方がいいよ」って言っていただいたのと、その反応とで、「自分なりの作り方と歌い方でいいんだ」という自信を少しずつ皆さんからいただいたっていうのは大きいですね。
◇美容と健康のために
――曲はどんなときに浮かぶんですか。
家ではお風呂と寝た後が多くて、最初は困ったんですけど、お風呂は近場にレコーダーを置いておけばいいやって解決したんですよ。問題は寝た後で「もういい、私は忘れる。寝るんだ」って思っても、アウトプットしないとずっと頭の中で巡っちゃって寝かせてもらえないんです。だから、起きて作って、気づいたら朝みたいなことも結構ありました。最初は「明日、撮影があるし、寝たいし」みたいな感じですごく戸惑いましたね。あと車の運転中とかもたまにありますけど、危ないので、それはなかったことにしてます(笑い)。
――ところで小西さんの美と健康の秘訣(ひけつ)は? また好きなファッションはありますか。
よく動き、よく食べ、ちゃんと眠る。私も職業柄、(十分に)寝られないし食べられないのが当たり前になってきたりするんですけど、やっぱりそういう基本的なことを大事にしているときが一番、肌のコンディションも体調もいいんです。よく動くと、そのあとに体にいいものを食べたくなるし、体にいいものを食べて、よく動いてると、夜もよく眠れるので、やっぱり基本って大事なんだなってすごく感じます。
ファッションは、ミックステイストのものが好きですね。例えば可愛いワンピースを着たら、上にレザージャケットを着るとか、カッコいいテイストのサロペットを着たら、足元はヒールにするとか。今回の服も、上がエレガントだから、下はちょっとカジュアルなスポーティーテイストみたいな組み合わせがいいかなって。全部が可愛いとかカッコいいというよりは、ミックスされているのが好きですね。
<プロフィル>
こにし・まなみ 1978年10月27日生まれ、鹿児島県出身。98年、つかこうへいさん演出の舞台「寝盗られ宗介」で女優デビュー。2016年に舞台「KREVAの新しい音楽劇『最高はひとつじゃない 2016 SAKURA』」に出演。同年5月にはKREVAさんの楽曲のカバー「トランキライザー~single ver.~」を配信リリース。17年には亀田誠治さんプロデュースによる配信曲「君とクリスマス」「クリスマスプレゼント」をリリースした。
(インタビュー・文・撮影:水白京)
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