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近年、増加傾向の“不倫ドラマ”。今クールでも、大人のドロドロの愛憎劇を描き、強烈なセリフも話題の「あなたには渡さない(あな渡)」(テレビ朝日系)や、“家族全員不倫”で話題だった「黄昏(たそがれ)流星群~人生折り返し、恋をした~」(フジテレビ系)が放送。「あな渡」を手がけるテレビ朝日の川島誠史プロデューサーは、これまでにも栗山千明さん主演の「不機嫌な果実」(2016年放送・テレビ朝日系)、倉科カナさん主演の「奪い愛、冬」(17年放送・同局系)と3年連続で不倫ドラマを担当。不倫ドラマ増加の理由や制作の裏側を川島Pに聞いた。
◇不倫ドラマで「疑似体験」したい?
川島プロデューサーは、1977年生まれ、東京都出身。2001年に同局入社。イベント事業部、バラエティー制作部を経て、07年からドラマ制作部に。これまでに「京都地検の女」「おみやさん」「刑事110キロ」「スペシャリスト」「BG~身辺警護人~」などを手がけてきた。
もともと“事件モノ”を担当してきた川島Pは、連ドラで“恋愛モノ”を手がけたのが「不機嫌な果実」「奪い愛、冬」「あな渡」の3作品。その3作品とも不倫をテーマにしていることについて、「“不倫総合プロデューサー”みたいになっているんですけど」と笑いつつも、「面白くするポイントがいっぱいあるのが不倫ドラマというか、禁断の恋愛系のドラマなので、好きは好きなんです」と告白する。
「不機嫌な果実」は、1996年に発表された林真理子さんの傑作不倫小説が原作。マザコン夫(稲垣吾郎さん)に不満を抱える人妻(栗山さん)が、情熱的な音楽評論家(市原隼人さん)とのドロドロの不倫劇を繰り広げた。
川島Pは「『不機嫌な果実』をやったときに思ったんですけど、月並みですけど、(視聴者は)疑似体験したいんだなというのがすごいあって。実際にできないことをドラマでばんばんばんばんやってくれているというところの爽快感みたいな。普段こんな言葉言えないけど、なかなか一歩踏み出せないというところを躊躇(ちゅうちょ)なくやっている感じが、爽快感と思っていただけているのかなという気がしました」と振り返る。
◇制作側も「魅力に感じる」理由とは
「奪い愛、冬」は、登場人物の「“奪い合う”恋愛=奪い愛」を描く過激な恋愛ドラマで、放送作家の鈴木おさむさんが脚本を手がけた。夫・森山信(大谷亮平さん)が自分から離れていくのを食い止めようとする妻・森山蘭を演じた水野美紀さんの“怪演”も話題となった。例えば、夫の浮気現場を押さえるため、クローゼットの中に潜み、倉科さん演じる池内光と夫の信がキスをすると、蘭が「ここにいるよぉ~! 見てたよ~!」と言いながら飛び出す……といったシーンなどに大きな反響があった。
「特に『奪い愛』なんかは原作もなかったので、相当遊びましたけど、そういうことができるジャンルかなと。事件モノは、どうしてもきちんと事件が起きて、皆さんが納得する形で解決して……と、1時間のフォーマットが定まっている感じ」と事件モノとの違いを語り、「(不倫ドラマは)かなり自由にできるというところはすごく魅力に感じている」と明かす。
不倫ドラマが増えている理由を聞くと、「日本人だからなのか、貞操観念がしっかりされている方が多いと思うんですよ。そんな中で、こういうドラマって一定数の需要がきっとあるんだろうなという気がします」と分析する。
◇「あな渡」最終回は…
「あな渡」は、1996年に出版された連城三紀彦さんの小説「隠れ菊」を現代版にリメーク。結婚20年の専業主婦・上島通子(木村佳乃さん)はある日、料亭の板長で夫の旬平の愛人と名乗る女・矢萩多衣(水野さん)と出会う。多衣に「ご主人をいただきに参りました」と告げられ、夫の署名入り離婚届を突き付けられる。夫と対決した通子は、夫の料亭が倒産寸前と知り、自らが女将(おかみ)となって料亭の立て直しを図る……というストーリー。
22日放送の最終回・第7話では、笠井(田中哲司さん)の贈賄事件に通子が関わっているという疑惑を書かれた記事が週刊誌に載り、料亭「花ずみ」に取材陣が押しかける。一気に客足が遠のき、通子は一つの大きな決断をして……。そして最後には衝撃の結末が訪れるという。