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彼女がキレイな理由:柴咲コウさん ストレスがたまると体に出るサインとは?「そういう自分を責めないように」

 女優の柴咲コウさんが主演する「連続ドラマW 坂の途中の家」が、27日からWOWOWプライムでスタートする。直木賞作家の角田光代さんによる小説を映像化した今作は、乳児虐待死事件の補充裁判員に選ばれた、柴咲さん演じる専業主婦、山咲里沙子の葛藤を描いていく。脚本を読み、その面白さに引き込まれ、「里沙子を早く演じたいと思った」と語る柴咲さんに、ドラマについてはもとより、自身のこだわりや、最近気になっているファッションアイテムを聞いた。

 ◇賢い選択で生活負荷を軽減

 柴咲さんは、女優、歌手として活動する傍ら、2016年には「アパレル」「食品」「エンターテインメント」の三つの事業を運営する「レトロワグラース」社を設立。2018年には、自らプロデュースしているファッションブランド「MES VACANCES(ミヴァコンス)」を立ち上げた。その「ミヴァコンス」では、肌に優しい素材を使用した衣類などを取り扱っている。また食品事業では、化学調味料を使っていないレトルト食品「LTG FOODS」を扱っている。

 そこで柴咲さんに、自身の日常生活でのこだわりをたずねると、「だからこそレトルト食品を作っているのです」という答えが返ってきた。

 柴咲さんはもともと、「ご飯を作るのも、掃除をするのも好き」。しかし、忙しいときにそれらを詰め込むと、「できない自分が嫌になったり、完璧じゃないと思ったり」と、逆にストレスになり、自分を追い詰めてしまうという。そこで思いついたのがレトルト食品だ。「生活負荷を軽減するということをうまく取り入れるというのも賢い選択だと思います。たとえ粗食でも、ご飯とおみそ汁だけでも十分自分を労っているなと思えますし、豪華な食卓を毎回用意する必要はないと思っています」と持論を述べる。

 ◇気になるファッションアイテムは

 柴咲さんは普段から「基本、ジュースは飲まないし、お菓子も買わない」。ただ、「ストレスが究極にたまっているときは、体にちょっと負担になるようなものを食べたくなる」そうで、それがまた自身の体調のよしあしを推し量る「バロメーター」になっている。そのサインが表れたときは欲求に従い、「そういう自分を責めないように」と心がけている。

 最近気になっているファッションアイテムに挙げたのは、自身のファッションブランドを持つ柴咲さんらしく、シルクのように見えてしわの寄りづらい繊維素材のリヨセルだという。もともとワンピースが「大好き」で、そのリヨセル素材のワンピースを、目下「ミヴァコンス」で考案中だ。

 ◇里沙子ほど優しくない?

 今回のドラマで柴咲さんは3歳の娘を持つ母を演じているが、他の女性の役との差は、演じる上で特別感じなかったという。ただ、「子供を産んだ経験がないのだから、あなたに母親役なんかできるの、という厳しいご意見の方もいらっしゃる」ことは承知している。しかし実際に、母親になった人からいろいろな話を聞き取る中で、出産によってもちろん大きく変わる人もいれば、「自分という人間が変わるわけではない」という人、逆に「愛せないとまでは言わないけれど、それほどでもないという人や、変わらな過ぎる、みたいな人もいた」という。そこから柴咲さんが感じ取ったのは、職業や立場に対する世間の、いわゆる“常識”にとらわれ「がんじがらめになって苦しんでいる人が、リアルにいる」ということだった。

 演じる里沙子は内向的で、自分の思いをなかなか表に出せないタイプの女性。そんな里沙子との共通点や相違点をたずねると、「私は、正直に生きようとはしているけれど、弱い部分も多分にあります。その出し方が里沙子とは違うだけで、そういう意味では共通する部分はいっぱいあると思います」と明かす。

 ただ、アウトプットの仕方や人との対峙(たいじ)の仕方は違うと感じている。「里沙子は、すごく優しい人だと思うんです。私は多分、ちょっとそこまで優しくないからなのか(笑い)、そこで我慢するより言った方がいいと思ってしまう」とした上で、「優しさにもいろいろあると思うのですけど、里沙子の場合は相手を傷つけてしまうから言えないというよりは、それ以上、自分も傷つきたくないから言えないという、ちょっと臆病な部分があると思います。私はというと、言ってあとで後悔したりすることはありますが、それは、ある種の臆病でもあると思うし、もっと強くありたいと思うときはあります」と語った。

 ドラマは、夫と3歳の娘と平穏な日々を送っていた主婦の山咲里沙子(柴咲さん)は、生後8か月の娘を虐待死させた女性・安藤水穂(水野美紀さん)の裁判の「補充裁判員」に選ばれる。子を持つ同じ母として、被告人の水穂に嫌悪感を抱く里沙子だったが、公判を重ねるにつれ、徐々に水穂に自分を重ねていくことになる……というストーリー。里沙子の夫を田辺誠一さんが演じるほか伊藤歩さん、高畑淳子さん、風吹ジュンさんらが出演する。4月27日からWOWOWプライムで毎週土曜午後10時に放送。全6話で第1話は無料放送。

 次回は、ドラマ「坂の途中の家」の主題歌の制作裏話と音楽との関わりについて聞く。

 <プロフィル>

 しばざき・こう 1981年8月5日生まれ、東京都出身。1998年に芸能界デビューして以降、数々の映画やドラマで活躍。2017年にはNHK大河ドラマ「おんな城主 直虎」で主人公の井伊直虎を演じる。主な近年の映画作品には「信長協奏曲」(16年)、「ねことじいちゃん」(18年)。待機作として「燃えよ剣」(20年)がある。歌手としても活躍する一方で、16年にはアパレル、食品、エンターテインメントの3事業を展開する「レトロワグラース」社を設立。18年にはファッションブランド「ミヴァコンス(MES VACANCES)」(https://mesvacances.jp/)を立ち上げるなど企業家としても活動している。18年、環境省の環境特別広報大使に任命された。

 (取材・文・撮影/りんたいこ)

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