ドラマ「連続ドラマW 引き抜き屋 ~ヘッドハンターの流儀~」に主演した松下奈緒さん
女優の松下奈緒さんが新米ヘッドハンターに扮(ふん)する主演ドラマ「連続ドラマW 引き抜き屋 ~ヘッドハンターの流儀~」(西浦正記監督)が、11月16日からWOWOWで放送される。今作のほかにも、11月には出演映画の公開やライブ公演、さらに、2020年の正月に放送されるドラマへの出演と多忙な日々を送る松下さんに、毎日の生活で心掛けていることや10年後の展望、女性が輝き続けるための秘訣(ひけつ)を聞いた。
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◇小さいときの教えで健康管理
「自分の生活リズムをきちんと守ることですね。ジムに行ったり、体を動かしたりしたほうがいいのでしょうけど、なかなかできないので、決まった時間に食事をとる、好き嫌いはしない、ご飯の前におやつは食べない。そういう幼いころに教えられた当たり前のことで健康を保っています」とにこやかに語る松下さん。
それでも、映画やドラマの撮影が入ると生活は不規則になりがちだ。そういうときは「あきらめます(笑い)」と潔さを見せつつ、「でも、できる限り3食はきちんと食べますし、毎日のお弁当も私は楽しみで全部食べちゃうんですけど(笑い)、その中でも、油ものは控えたりする」など、「気持ちだけでも自分の家にいるのと同じサイクルで過ごす」ことを心掛けている。
◇10年後は…
現在、34歳の松下さん。10年後は「今と変わってなければいいかな。見た目も仕事も」としながら、「私は、運動をあまりしていない分、44歳になったときにどれだけ“今”を保っていられるか楽しみなんです。ある意味、怖いんですけど(笑い)」とちゃめっ気たっぷりに話しながら、今回のドラマで共演し、日ごろから「憧れている」という内田有紀さんを理想に掲げる。
また、「世界遺産が大好き」という松下さんは、「できる限り多くのものを見ておきたいです」と抱負を語る。ただし、そのときも仕事で海外に行くのとは違い、「自分で下調べをして、自分で全部準備をしていきます」と、しっかり者の一面をのぞかせる。ちなみに今、気になっているのは、カンボジアのアンコール・ワットと、世界遺産に認定されていないが、ボリビアにあるウユニ塩湖だそうだ。
◇今の「わあ、欲しい」ものは?
松下さんが女性が輝き続ける秘訣に挙げたのは、「好きなことを何か一つでも見つけ、それをずっとやり続ける」こと。「たぶん、生きるのに張り合いがなくなると輝きもなくなると思うんです。ですから、楽しみなことを増やす。それは、おいしいものを食べることでもいいし、何かを作ることでもいい。料理することでも、恋愛することでもいい。そういうことを通して、わあ、すごいとか、わあ、可愛いとか、わあ、欲しいと思う気持ちをなくさないようにしたいですね」と目を輝かせる。
松下さんの、今の「わあ、欲しい」は、「犬の服」。ペットショップで犬の服を見ると、かれこれ8年ほど飼っている犬用にと、つい手を伸ばしてしまうという。ただ、当の犬はそれを着たがらず、「買うだけ買って着せたことはない」そうで、「自分の子供のように溺愛する割には、嫌だとそっぽを向かれます。ずっと反抗期みたいなツンデレな犬なんです」と苦笑交じりに明かした。
◇芝居と音楽の役割
そんな松下さんがドラマで演じるのは、父が創業した会社を解雇され、ヘッドハンティング会社で新米ヘッドハンターとして働くことになる鹿子小穂(かのこ・さほ)だ。松下さんは小穂という人物に対して、「どこにいてもちゃんと情熱を持っていて、何に対してもあきらめない粘り強さがある。それがしつこさに思えるときもある」と分析し、そういった「しつこさ」は、女優と音楽家という二つの顔を持つ松下さん自身、共感した部分でもあるという。なぜなら、「(芝居と音楽)どちらも、自分でこれでいいんだとピリオドを打たなければいけないことのほうが多いんです。そういった中で粘るということ、言われなくても『もう一歩先へ行ってみよう』という心意気は、ここ何年かで教えてもらった」ことだからだ。
松下さんにとって音楽は、「小さいときからやってきて、しかも演技をするという必要はまったくないので、自分自身じゃないとできないものです。それはある意味、怖いことでもあるのですが、自分の中身をさらけ出すためには必要なもの」だという。一方、「役柄に助けられる部分もあり、演技だから割り切れる部分もある」という女優業には、「もちろんフィクションですけど、いろんな人になれる良さがあります」と分析する。
いずれにせよ、音楽も芝居も「なくてはならないもの」であり、「楽しさの種類は違いますが、両方とも好きなことです」と言い切る。そして、「自分がちゃんと素に戻れる場所としての音楽」と、それだけでは満足がいかないときは、「演じることで、自分ではない人間になれるという楽しさがあるお芝居」。その両方の世界を行き来することは、「すごくいい刺激」になっていて、「10年以上やってきて、ようやくつかめた」ことだという。
そんな自分を「欲張りだなと思いながらも、二つのことをやっている喜びは常にあります。その喜びが続く限りはやり続けたいと思います」と語り、10年後も「(人々から)必要とされるように頑張ります」と前を向いていた。
ドラマは、雫井脩介さんの小説「引き抜き屋(1)鹿子小穂の冒険」「引き抜き屋(2)鹿子小穂の帰還」(PHP研究所)が原作。父が創業したアウトドア用品メーカー「フォーン」を解雇された主人公・鹿子小穂(松下さん)が、ヘッドハンティング会社「フォルテフロース」に入り、新米ヘッドハンターとして奮闘する姿を描く。ほかに、内田有紀さん、小手伸也さん、渡部篤郎さんらが出演する。ドラマは11月16日からWOWOWプライムで毎週土曜午後10時に放送。全5話で第1話は無料放送。
<プロフィル>
まつした・なお 1985年2月8日生まれ、兵庫県出身。2004年に女優デビュー。同年、「アジアンタムブルー」で映画初出演。2010年にNHK連続テレビ小説「ゲゲゲの女房」のヒロインに起用される。2006年にピアニスト、作曲家としてもデビューを果たす。主演映画「エンジェルサイン」が11月15日に公開されるほか、出演ドラマ「贋作 男はつらいよ」が2020年1月5日から放送開始。19年11月22、23日には大阪でライブを開催する。
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