彼女がキレイな理由：中山美穂さん　「シンプルに生きる」が信条　好きなファッションは「脱ぎ着が楽なもの」

　女優の中山美穂さん主演のドラマ「連続ドラマW　彼らを見ればわかること」が、1月11日からWOWOWでスタートする。同じマンションに住む3人の女性と、彼女たちの家族それぞれに起こる「事件」を描きながら、新しい家族観を視聴者に提示する大人のドラマだ。深川栄洋監督が演出を担当したドラマの中で、中山さんは妻であり、母であり、さらにレディースコミック（レディコミ）の人気マンガ家として活躍する内田百々子を演じる。ドラマの中での百々子は、「割と個性的な面白い格好をしている」と語る中山さんに、自身の普段の装いや、生活面での信条などを聞いた。

　◇シンプルに、コツコツと

　百々子は在宅での仕事のため楽な洋服を好んで着る。官能作品を描くようになったのは、春画のコレクターだった祖父の影響という設定だ。それもあってか、自宅兼仕事場では、半纏（はんてん）を愛用するなど、「衣装や髪形には和テイストが取り入れられている」という。

　楽な洋服を好むのは中山さんも同じだという。一番肝心なのは、「（撮影）現場に行ったらすぐ着替えるので、脱ぎ着が楽なもの」という。中でもワンピースは好んで着ているそうで、半ばそれがユニホーム化しているという。最近も「オフホワイトの、楽な形のワンピース」を購入した。好きな素材は麻だという。靴も「脱いだり、履（は）いたりが面倒くさくない」ように、冬場でもサンダルを好んで履いているという。

　取材時に着ていたのは、茶色のシースルーブラウスに、前スリットが入った黒のタイトなロングスカート。中山さんの女性らしさが引き立つスタイルだが、中山さん本人はこういった服装は、「お出掛け以外はそんなに着ないですね」と照れ笑い。

　中山さんは、普段から「物を持たないようにするとか、生活の動きを複雑にしない」といった、「シンプルに生きる」ことを心掛けている。その一方で、「何事もコツコツと」が信条。「真面目にコツコツと生きていきたいですね」と前を向く。

　◇百々子とは「強さの種類が違う」

　今回演じる百々子は、離婚歴ありの46歳。再婚相手の敏腕経営者と大学生の息子と暮らしている。中山さんは、基本、「役に関しては何でも受け入れるタイプ」だが、百々子役のオファーを快諾したのは、「設定はレディコミのマンガ家ですけど、家族を扱うというのは、この年齢にして興味深い作品」と思ったからだという。

　百々子について、「大学時代からマンガを描き始めて、外（社会）に出ていない分、世間知らずではないですけれど、他の人とは違う」と分析する。半面、「自分の信念を持っていて、自分の意思で生きていく」という印象を受けたという。そんな百々子に対して、「ものすごく強いと思います。私も強いですけど、強さの種類が違う」と、自身との相違点を挙げる。

　このインタビューが行われた2019年11月下旬の段階では、撮影はまだ途中だった。中山さんは、「百々子には、仕事と家庭はきっちり分けるというポリシーがあります。その部分を気持ち良く切り替えて表現することができれば」と思いながら演じていた。

　ドラマは、二子玉川に立つ瀟洒（しょうしゃ）なマンションで暮らす3家族を軸に描く。最上階に住む内田百々子（中山さん）は、官能作品で人気を誇るレディコミマンガ家。再婚相手の会社経営者・櫂斗（生瀬勝久さん）と大学生の息子・柊司（髙橋優斗さん）と暮らしている。同じマンションに住む友人で、家事全般を夫の一太（上地雄輔さん）に任せきりのキャリアウーマン、富澤瑞希（木村多江さん）とは、秘密を打ち明けられる間柄だ。ある日、マンションに鴨居葉介（長野博さん）と流美（大島優子さん）という新婚夫婦が引っ越してくる。なんと葉介は、百々子が20年前に別れた夫だった……というストーリー。他に片岡鶴太郎さん、高橋惠子さんらが出演。1月11日からWOWOWプライムで毎週土曜午後10時に放送。全8話で第1話は無料放送。

　次回は、ドラマでの役作りや、女優の仕事について聞く。

　＜プロフィル＞

　なかやま・みほ　1970年3月1日生まれ、東京都出身。1985年に女優デビュー。同年、歌手デビューも果たす。1995年の映画「Love Letter（ラブレター）」でヒロインを演じ、アジア全域で抜群の知名度を誇る。最近の主な映画出演作に「サヨナライツカ」（2010年）、「新しい靴を買わなくちゃ」（2012年）、「ママレード・ボーイ」「蝶の眠り」（共に2018年）、「愛唄　約束のナクヒト」「108～海馬五郎の復讐と冒険～」（共に2019年）など。出演作「ラストレター」が20年1月17日に公開。また2019年12月には、約20年ぶりにニューアルバム「Neuf Neuf」をリリース。デビュー35周年となる2020年には、自身の誕生日である3月1日と3月7日（追加公演）にバースデーライブを開催する。

　＊高橋優斗さんの「高」ははしごだか。