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彼女がキレイな理由:中山美穂さん 昔の自分が「すごく嫌でした」… 経験の積み重ねで「切り替えられるようになった」

 女優の中山美穂さん主演のドラマ「連続ドラマW 彼らを見ればわかること」がWOWOWで放送中だ。深川栄洋監督が演出を担当したドラマは、同じマンションで暮らす三つの家族を描きながら、新しい家族観を視聴者に提示するヒューマンドラマだ。このドラマで中山さんは、官能作品で人気を誇るレディスコミック(レディコミ)のマンガ家、内田百々子を演じている。レディコミは「これまで読んだことがない」という中山さんに、撮影現場の様子や女優の仕事について聞いた。

 ◇絵心がまったくない!?

 中山さんは、レディコミは「今までまったく読んだことがない」上に、「マンガもほとんど読んだことがありません」と苦笑まじりに明かすほどの “マンガ素人”。「そもそも絵心がまったくない」と自虐気味に語り、今回の役作りでは「努力してもなんとかできるレベルではない」と自身で評するほどで、「それ(マンガ家)らしく見えるように撮ってもらっています」とスタッフに感謝する。

 ドラマは、同じマンションで暮らす三つの家族を、深川監督の言葉を借りれば、「動物園の中の動物をのぞき見する感覚」で映し出していく。そこから視聴者が共感したり、考えさせられたりすることを期待しているという。

 インタビュー時は、まだ撮影中で、中山さんも「今回、深川監督はちょっと特別な撮り方をされていて、本当に誰かがのぞいているような視点のカメラワークがあったりして、面白いなと思います」と仕上がりに期待を寄せる。

 ◇息子役のアイドルを「次なる大スター」

 その一方で、長いシーンをワンカットで撮ることも多く、「緊張感もありますし、他の俳優さんたちとも『どうする、どうする』『間違えたらごめんね』とドキドキしながらやっています」と明かす。

 とはいえ、現場の雰囲気は和やかで、中でもムードメーカーは、百々子の夫・内田櫂斗役の生瀬勝久さんだという。「すごく盛り上げ上手で、(撮影は)和気あいあいと進んでいます」と、約2年ぶりの共演で、信頼のおける生瀬さんとの夫婦役を楽しんでいる。

 また、百々子と櫂斗の大学生の息子、柊司を演じる、ジャニーズJr.のグループ「HiHi Jets」の高橋優斗さんについては、「彼にぴったりな役です。頭もいいし、お芝居も上手ですし、本当に私は彼のことを次なる大スターだと信じています」と手放しでたたえる。

 ◇言い合える関係はすてき

 同じマンションに住む、木村多江さんが演じる富澤瑞希と、大島優子さんが演じる鴨居流美との関係も見どころの一つだ。同じ46歳という設定の瑞希とは、「私自身もすごく友達を大事にしていますが、大人になってから、ここまで仲良くなれることは少ないと思います。(瑞希とは)何もかも共感し合えるわけではないですけど、あんなふうに言い合えたりできるのは、すごくすてきだと思います」とうらやましそうに語る。

 ちなみに、主要なキャスト3人の女性の中で自身に似ている人物は「いないです」といいつつ、「でも、(大島さんが演じる)流美ちゃんはすごくいい子ですよね。憧れます」と、百々子の元夫で、長野博さん演じる鴨居葉介が再婚した流美には、心が動いたようだ。

 ◇昔は「なり切って演じようという思いが強く」…

 「演じることが楽しい」と朗らかに語る中山さん。自身、「役になり切って演じるタイプではない」といい、撮影中とそうでないときの区別が明確につけられ、今回も現場に入ることで百々子を「自然に」演じられたという。

 もっとも昔は、「なり切って演じようという思いが強く」、作品の中の衣装を自宅で着て過ごしたり、「しゃべり方が普段の話し方に出てしまったり」、さらには、撮影が終わってしばらくたっても自分の中に「まだ役が残っていたり」して、そんな自分が、「すごく嫌でした」と打ち明ける。今の演技スタイルになったのは、演じる役が、「結局は、自分じゃないから」と割り切れたこともあるが、「長年やってきて切り替えられるようになってきたのかもしれないですね」と経験を積み重ねた上の結果だと明かす。

 ◇多様化する家族「いろんな形があっていい」

 家族、夫婦、親子にはいろんな形があり、そのあり方に正解はない。そんなことを再認識させてくれるのも今作の魅力だ。「今の社会、家族の形は多様化していますが、本当にいろんな形があっていいと思うし、いろんな答えがあっていいと思う」と、中山さんは考えている。

 また、当事者は必死だが、それを傍観している第三者にはそれが滑稽(こっけい)に見えたりするのもこのドラマの面白さだ。「みんなが一生懸命になればなるほど、それが滑稽に見えたりする。昔の無声映画、チャップリンの映画とかでもそうですけど、ものすごく一生懸命じゃないですか。でもそれがおかしい。そういうセンスって、私もものすごく好きなんです」と話し、「今回のドラマもそんなふうに見えたらいいなと思っています。私自身も……なんてね(笑い)」とちゃめっ気たっぷりにアピールした。

 ドラマは、二子玉川に立つ瀟洒(しょうしゃ)なマンションで暮らす3家族を軸に描く。最上階に住む内田百々子(中山さん)は、官能作品で人気を誇るレディコミマンガ家。再婚相手の会社経営者・櫂斗(生瀬勝久さん)と大学生の息子・柊司(髙橋優斗さん)と暮らしている。同じマンションに住む友人で、家事全般を夫の一太(上地雄輔さん)に任せきりのキャリアウーマン、富澤瑞希(木村多江さん)とは、秘密を打ち明けられる間柄だ。ある日、マンションに鴨居葉介(長野博さん)と流美(大島優子さん)という新婚夫婦が引っ越してくる。なんと葉介は、百々子が20年前に別れた夫だった……というストーリー。他に片岡鶴太郎さん、高橋惠子さんらが出演。WOWOWプライムで毎週土曜午後10時に放送中。第2話は1月18日放送。なお、第4話を放送する2月1日午前8時半からWOWOWプライムで第1~3話を無料一挙放送。

 次回は、リラックスできる過ごし方や、女性が輝き続ける秘訣(ひけつ)などを聞く。

 <プロフィル>

 なかやま・みほ 1970年3月1日生まれ、東京都出身。1985年に女優デビュー。同年、歌手デビューも果たす。1995年の映画「Love Letter(ラブレター)」でヒロインを演じ、アジア全域で抜群の知名度を誇る。最近の主な映画出演作に「サヨナライツカ」(2010年)、「新しい靴を買わなくちゃ」(2012年)、「ママレード・ボーイ」「蝶の眠り」(共に2018年)、「愛唄 約束のナクヒト」「108~海馬五郎の復讐と冒険~」(共に2019年)など。出演作「ラストレター」が20年1月17日に公開。また2019年12月には、約20年ぶりにニューアルバム「Neuf Neuf」をリリース。デビュー35周年となる2020年には、自身の誕生日である3月1日と3月7日(追加公演)にバースデーライブを開催する。

 *高橋優斗さんの「高」ははしごだか。

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