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俳優の大沢たかおさん主演の映画「AI崩壊」(入江悠監督、公開中)で、初の刑事役に挑んだ女優の広瀬アリスさん。ロングヘアを30センチカットして役に挑んだ広瀬さんが、今回の役作りや10年後の未来像、憧れる女優について語った。
◇10年後は…
広瀬さんは、2019年12月に25歳になった。芸能界デビューは2008年。2020年にはキャリア13年目に入る。今回の映画「AI崩壊」は10年後という近未来が舞台。そこで、広瀬さん自身の10年後の未来を想像してもらうと、即座に「想像つかないですね」と答え、「もしかしたらこの仕事をしているかもしれないし、していないかもしれません。楽しく生きているのか、そうでないのか、それは分かりません。ただ、楽しいことが続けばいいな……」と語った。
その上で、「それこそ、今はお芝居をしている時間が楽しいですし、こうやって完成したものを皆さんにお届けすることはすごく楽しいです。今はその楽しいがずっと続いていて、いただいたお仕事を全力でやっているので、ああなっていたい、こうなっていたいという具体的な目標は特にありません。(10年後は)35歳なので、そのとき楽しく生きていられればいいですね」という言葉に力みは感じられない。
◇「これ以上のものは出ない」と思った役
もっとも、女優を始めたころは、「自分は何をやっているのだろう」と考えることもあったという。女優業を「楽しい」と感じられるようになったのは「やっと最近」で、転機は2017年に放送されたNHK連続テレビ小説「わろてんか」に出演したことだった。
「あんなに大変な現場はそれまで経験したことがありませんでした。知らない土地での撮影ですし、長期間で撮影もハード。しかも関西弁で、言葉のイントネーションも全然違いました。俳優という仕事が、せりふを覚えるだけではないということを思い知らされました」と打ち明ける。
その一方で、「それが良くも悪くもいい経験でした」と振り返り、「(撮影が)終わったあと、この役はやり切ったからこれ以上のものは出ない、と思ったのは初めてでした」と明かす。
◇役のために髪をカット
ならば、今回演じた警視庁捜査1課の刑事・奥瀬久未役は? 「奥瀬は、(撮影)時間的には短かったんです。1回撮影すると2週間くらい空いたりしていたので、もう少しコンスタントに撮影したかったな。もうちょっとあのシーンを撮りたかったなと思うことはあります」とちょっぴり名残惜しそうに振り返る。
広瀬さんが演じる奥瀬は、捜査1課の新米刑事。台本を読んだとき奥瀬に対して「ボーイッシュ」な印象を受けたといい、長かった髪を30センチほど切った。「ずっとロングできていたので、いつかは(ショートに)したいと思っていました。台本を読んだとき、それにぴったりの役柄だと思いました」と振り返る。髪を切ることに抵抗はなく、「切っちゃお、切っちゃおみたいな感じでした(笑い)」と思い切りの良さを見せる。
◇過酷だった撮影
撮影は2018年12月下旬から2019年2月末までの約2カ月間。ペアを組む三浦友和さん演じるベテラン刑事、合田京一とのシーンは大半が夜だった。そのため、「だいたい夕方6時くらいに現場に入って、朝方まで撮影している」という「昼夜完全に逆転」という時間帯で撮影が行われた。
ジャケットの上に厚手の防寒具を着ている合田に対して、奥瀬がスーツの上に羽織るのはトレンチコート。スーツの生地は薄く、細身で中に着込めないため冬の寒さが身にしみた。昼夜逆転の上に厳寒の中での過酷な撮影。美容と健康のために気を使ったのは、夜食を控え、「なるべく食生活は崩さないようにする」ことが精いっぱいだった。肌の手入れも気になるところだが、「疲れ過ぎて、そんなことをしている余裕はなかったです」と苦笑交じりに明かす。
◇理想の女優は?
映画では、合田との師弟関係も見どころの一つだ。そこで、広瀬さん自身の理想の女優をたずねると、共演経験のある米倉涼子さん、篠原涼子さん、天海祐希さんという「大先輩」の名を挙げた。決め手は、「お三方とも座長として、『みんな行くぞ!』という感じは出さないのですが、みんなが『この方について行きたい』と思わせられる方々なんです。そういう女性はとてもカッコいいと思います。お仕事に限らず、カッコいい女性が好きなんです」と目を輝かせる。
以前、気持ち的にハードなシーンの撮影の際、本番前に米倉さんに背中をボンとたたいてもらい、「よし、行けるね」と気合を入れてもらったことを明かし、「そのひと言と一発がなかったら本当に思いきりできなかったと思います。そういう愛のある方になりたいです」と自身の未来像に思いをはせていた。
映画は、2030年が舞台。国民の個人情報や健康を管理するまでになったAI(人工知能)が突然暴走し人間の命を選別し始めた。AIを暴走させたテロリストとして警察の捜査線上に挙がったのは、AIの開発者である科学者・桐生浩介(大沢たかおさん)だった。逃走を続ける桐生を、警察庁の捜査官・桜庭誠(岩田剛典さん)が最新のAI監視システムを駆使して追う。一方、警視庁のベテラン刑事・合田京一(三浦さん)と新米刑事の奥瀬久未(広瀬さん)は、従来の“足”を使った捜査で桐生を追う……というストーリー。桐生の妻役で松嶋菜々子さん、桐生の義理の弟役で賀来賢人さんらが出演している。
<プロフィル>
ひろせ・ありす 1994年12月11日生まれ、静岡県出身。2008年女優デビュー。2009年から女性ファッション誌「Seventeen(セブンティーン)」(集英社)の専属モデルとして活躍。2017年にはNHK連続テレビ小説「わろてんか」に出演。主な映画出演作に「銀の匙 Silver Spoon」(2014年)、「L-エル-」(2016年)、「新宿スワン2」「氷菓」(共に2017年)、「巫女っちゃけん。」「食べる女」「旅猫リポート」「銃」(すべて2018年)などがある。2020年12月公開の「サイレント・トーキョー」に出演。2020年1月から放送中の連続ドラマ「トップナイフ―天才外科医の条件―」にレギュラー出演。