劇場版「美少女戦士セーラームーンEternal」で声優を務めインタビューに応じた菜々緒さん
悪女役に定評のある女優の菜々緒さん。今年の1作目は、声優を務めたアニメ、劇場版「美少女戦士セーラームーンEternal(エターナル)」(前編が1月8日公開、後編が2月11日公開)のラスボス役だ。演じたのは、主人公・スーパーセーラームーン/月野うさぎをはじめとするセーラー戦士の前に立ちはだかる新月の闇の王国デッド・ムーンの女王ネヘレニアで、妖艶さやミステリアスなムードも魅力のキャラクター。子供の頃から「美少女戦士セーラームーン」の大ファンで、今回の出演を「夢がかなった」と喜ぶ菜々緒さんに、作品ヘの思いや、悪役ならではの魅力などを聞いた。
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◇推しメンは“うさぎちゃん” 積み重ねてきた悪女役で「夢がかなった」
「美少女戦士セーラームーン」は、1991年に少女マンガ誌「なかよし」(講談社刊)で武内直子さんによるマンガの連載がスタート。1992年にはテレビアニメも放送され、たちまち人気を博して社会現象となった。単行本の累計発行部数は全世界3000万部にのぼり、テレビアニメは、世界約40カ国で放送されている。
アニメの放送がスタートした年、1988年生まれの菜々緒さんは4歳。子供の頃は、幼なじみでモデルの佐藤かよさんと“セーラームーンごっこ”をしていたという。
「絶対にセーラームーン役は譲らなかったし、お母さんに月野うさぎちゃんと同じツインテールに髪を結ってもらっていたんですが、髪形がうまく決まらないと一日中泣いていたぐらい、生粋のうさぎちゃん好き。ダントツ“推しメン”ですね!」と声を弾ませ、今回、声の出演を果たしたことに「すごくうれしい」と感激している。
なかでも“ハマり役”と定評のある悪女役で出演することに「これまで強い女性のキャラクターを演じてきたからこそ、ネヘレニア役に選んでいただけたと言っても過言ではないので、本当にありがたいなと思います。まさに小さな点と点が、一つの線でつながった感覚というのか……。一つ一つ積み重ねてきた結果の先に現在がある。(悪女という)自分の信じた道を突き進んできて本当に良かったなって。(今回のオファーがきたときは)まさに夢がかなった瞬間でした」と感慨深げに語る。
セーラームーンに憧れる一方で、ディズニーアニメに登場するヴィランズ(悪役)にもひかれていたという。「“光と闇”や“コインの表裏”のように、悪役が存在しなければ、ヒーロー物語は絶対に成り立ちません。子供ながらに、悪役が重要な役目を果たしていることに気づいて、キャラクターの背景を勝手に想像していたくらいなんです。今、悪役を演じる際に、ヴィランズを参考にすることもありますね」と明かし、「人生においては、誰もが自分の人生の主役。この作品でも、みんな(すべてのキャラクター)がそれぞれ主役なんです」と悪女役への持論を語った。
◇元気や気づきをくれる作品 セーラームーン世代も楽しめる
今回の劇場版アニメは、原作マンガの4期「デッド・ムーン」編を映画化。前後編の2部作として公開される。「夢」をテーマに、セーラー戦士たちが、一人の戦士として、一人の女性として、悩みながらも成長していくストーリー。地球と月の征服をもくろむネヘレニアが、手下のジルコニアや、特別な力を持つアマゾネス・カルテットたちを使い、スーパーセーラームーンの持つ「幻の銀水晶」を狙う。
物語について聞くと菜々緒さんは「(ネヘレニアが)“月にかわっておしおき”されちゃうかもしれないですね(笑い)。でも、分からないですよ。映画で“おしおき”されるかどうか確認して」とセーラームーンの決めぜりふを交えて、いたずらっぽい表情を見せる。
そして「元気になれたり、新たな気づきをもらえたりするような作品。きっと幅広い年齢層の方々にお楽しみいただけるはず。私のようにリアルタイムでアニメを見ていた“セーラームーン世代”の方々の中には、すでにお母さんになっている方もいらっしゃると思うので、ぜひお子さんと2世代で見に行ってもらえたら、すごくうれしいです」と自信をのぞかせた。
(取材・文/渡邊玲子)
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