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小雪:12年ぶり主演映画が公開へ 実話を基にした盲ろう者の息子と母の物語 「圧倒的な親子のエネルギーに衝撃」

 女優の小雪さんが12年ぶりに主演する映画「桜色の風が咲く」(松本准平監督)が、11月4日に公開されることが9月1日、分かった。映画の主演は、2010年に公開された「信さん・炭坑町のセレナーデ」(平山秀幸監督)以来。世界で初めて盲ろう者の大学教授となった東京大学の福島智教授と母・令子さんの実話を基に、盲ろう者の息子とその母が、勇気をもって困難を乗り越えていく姿を描く。

 映画は、教師の夫、3人の息子とともに関西の町で暮らす令子(小雪さん)が主人公。末っ子の智は幼少時に視力を失うも天真らんまんに育ち、やがて東京の盲学校で高校生活を謳歌(おうか)する。だが18歳のときに聴力も失ってしまう。そんな息子に立ち上がるきっかけを与えたのは、令子が息子との日常から見いだした、「指点字」という新たなコミュニケーションの手段だった……というストーリー。

 自身も3人の子供を育てる小雪さんは「初めて台本を読ませていただいた時の、圧倒的な親子のエネルギーの詰まった魂に衝撃を覚えたことを今でも覚えています。福島先生のたおやかさの中に芯のある強さを感じ、それを支えるお母様のご苦労も想像を超えるものだったかとお察ししました」と振り返る。

 「障がい者というと、人はあわれみや同情を思い浮かべるかと思われがちですが、希望そのものだと私は感じています。世の中が不安定な中、この作品が皆様にとって光の道筋となるような、ご覧になった方々の明日を生きる活力のエッセンスになりますように」と語った。

 息子の智を演じるのは、俳優の田中偉登(たけと)さん。田中さんは「お母ちゃん役の小雪さんには幾度となく助けていただきました。何も見えない世界で、唯一の頼りのお母ちゃんの腕から離れると取り残されたような感覚に陥り恐怖に押しつぶされそうになりました。つかまっているお母ちゃんの腕の安心感は僕にとって光でした。芝居を重ねていく中で自然と生まれたお母ちゃんと智の信頼関係は本物に近いものだと感じています」とコメントした。

 令子の夫・正美を吉沢悠さんが演じ、リリー・フランキーさん、朝倉あきさんが出演することも同日、発表された。

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