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舞台「夏の砂の上」に出演する西田尚美さん
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舞台「夏の砂の上」に出演する西田尚美さん

私が30歳のころ:西田尚美さん 「自分の引き出しをたくさん開けて」 長崎弁にも挑戦  “初共演”の田中圭と子供を亡くした夫婦役に

 第一線で活躍する著名人の「30歳のころ」から、生きるヒントを探します。今回は女優の西田尚美さん。アラサー時代の思い出や、30歳をより輝かせるためのアドバイス、11月3日から上演される舞台「夏の砂の上」などについて聞きました。(全3回の1回目、編集・取材・文/NAOMI YUMIYAMA)

 ◇田中圭さんのスポンジのような吸収力に驚き

 ドラマや映画、舞台などで幅広く活躍する西田さんが、3日に世田谷パブリックシアターで開幕する舞台「夏の砂の上」に出演する。

 劇作家・演出家の松田正隆さんが自身の育った長崎を舞台に描いた戯曲で、西田さんは田中圭さんが演じる主人公の妻・恵子を演じる。演出は「CHIMERIKCA チャイメリカ」「彼女を笑う人がいても」などの作品で知られる栗山民也さんが担当。西田さんは最初に戯曲を読んだ時から、物語に魅了されたという。

 「長崎の、熱いじわっとした感じから、どんどんどん乾いていく描写が見事なんですよ。そんな熱が舞台上にも表れて、見てくれる方にも感じられるんじゃないかなと思います。日常のささやかな出来事が、小さい世界の中で行われている。見終わった後、とてものどが渇いて水がおいしくいただけると思います(笑い)」

 田中さんが演じる主人公は、仕事を失い、妻に捨てられ、長崎で一人暮らしをしている。そんなある日、妻の恵子が亡くなった息子の位牌を取りに戻ってくるところから物語は始まる。妻の恵子について西田さんは、「強い女性だと思う」と語る。

 「恵子は捨てた男の家に、戻ってきます。もしかしたら彼の同僚と何かあるのかも?という感じもあります。言葉が長崎弁なので、感情が強く聞こえるかもしれません。夫と別居しているんですけど、ちょっと迷いもあるようにも見えます。二人の間には子供がいて、小さいときに亡くなってしまった。二人をつなぎとめているものもなくなってしまったのか……。でも夫婦の絆は確かにそこにあるんです」

 今回、本格的な共演は初めてとなる夫役の田中さんについて、驚きのエピソードを明かした。

 「(演出家の)栗山さんは通し稽古(けいこ)をした後、栗山ノートと言われる“ダメだし”をみんなの前で出されるんですけど、圭さんは最初のうち、台本を持ってこないで、言われたことを全部頭の中にインプットしてしまうんです。私は忘れちゃうからノートに必死にメモをしているのに、全部すっと吸収して、ちゃんとアウトプットもできる。スポンジのような方だなと思いました。本当にたくさんの作品に出演されていて、なるほどこういう方だったんだなって」

 ◇「カムカムエブリバディ」に続いて、方言に取り組む

 「夏の砂の上」は西田さんにとって、演出家の栗山さんの舞台に初出演できることも楽しみだったという。

 「栗山さんの舞台は前から見ていて、ずっと出たいなと思っていました。稽古場では言葉の言い方一つ、間の取り方一つ、言葉の意味や裏側だったり、細かく繊細に教えていただけるので、本当におもしろいです。思ってもいないような体の使い方を教えてくださるときもあって、実際にやってみるとちゃんとその心情に見えて。自分の引き出しをたくさん開けてもらっています」

 舞台になる長崎も、西田さんにとって思い入れがある土地。朝ドラの「カムカムエヴリバディ」の岡山弁に続いて、今回も方言には力を入れている。

 「長崎は以前に、さだまさしさんのお母さんの喜代子さんの役を2回演じたことがあり、なじみがあるんです。『かすていら』『ちゃんぽん食べたか』という作品です。ロケにも行きましたし、長崎弁も教わりました。ただ、『カムカム~』は岡山弁だったので、広島出身の私には身近でしたけど、今回はだいぶ違います。長崎出身の友人と会って雰囲気を教えてもらったりして取り組んでいます」

 西田さんにとって、また新たな挑戦になりそうな「夏の砂の上」。最後に、今の心境と舞台への意気込みを聞いた。

 「何より戯曲が素晴らしいですし、長崎の湿度を感じていただける作品です。劇場も気分が華やいでホッとできる空間ですので、非日常を味わいにお出かけください」

 <プロフィル>    にしだ・なおみ 1970年2月16日、広島県生まれ。モデルとして活躍後、1993年に女優デビュー。主な作品に映画「ひみつの花園」(1997年)、「ナビィの恋」(1999年)、「二重生活」(2016年)、「友罪」(2018年)、「生きてるだけで、愛」(同)、「新聞記者」(2019年)、「凪(なぎ)待ち」(同)、「青葉家のテーブル」(2021年)など。2021年、NHK連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」で上白石萌音さんが演じたヒロイン安子の母親役で出演。映画「土を喰らう十二ケ月」が11月11日に公開。

 *……「夏の砂の上」▽作:松田正隆▽演出:栗山民也▽出演:田中圭、西田尚美、山田杏奈ほか▽日程:11月3~20日▽場所:世田谷パブリックシアター(東京都世田谷区)▽ツアー公演:兵庫、宮崎、愛知、長野

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