取材に応じた高梨臨さん
放送中の連続ドラマ「PICU 小児集中治療室」(フジテレビ系、月曜午後9時)に出演している女優の高梨臨さん。子供のための集中治療室(PICU)を舞台にした物語で、ベテラン看護師を演じている。シリアスなシーンが多い同作の撮影で、早朝から日が暮れるまでスタジオにこもりきりの日々が続いているという高梨さんにリフレッシュ方法、日々の暮らしで大切にしていること、ドラマについて聞いた。(取材・文/服部広子)
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◇朝晩の外気浴でリフレッシュ 夫との時間も息抜きに
「最近は、朝、起きたときと帰宅後に、ベランダに出て3分ぼけ〜っとする“儀式”を行っています(笑い)。1日に1回は、外の空気を吸おうと思って。あとは、携帯ゲームが好きなので、入浴のときに半身浴をしながらずっとやってますね。ゾンビを倒して『よし!』 とか思いながら寝ます(笑い)」
2018年には、プロサッカーの槙野智章選手(現ヴィッセル神戸所属)と結婚。結婚後は仕事に対するスタンスが変わった部分もある。
「来年の2月で丸5年になるんです。今、夫は神戸で暮らしているので、ふだんは電話やメールで『今日も頑張ろうね』って連絡を取り合って、休みで東京に帰ってきたときは、一緒に舞台や映画を観に行くことも多いですね。そういう家族との時間もリフレッシュになりますし、離れて暮らすのも、すごくいいですよ。みなさんに推奨したいくらい(笑い)
結婚して心に余裕ができたんでしょうね。一つ一つの仕事に、より丁寧に向き合えるようになったような気がします。お芝居をすること自体も楽しさが増しました」
◇丁寧な暮らしに憧れも… 現実は健康第一で無理をしない
肩の力が抜けた、柔らかい物腰が印象的な高梨さん。日々の暮らしで大切にしていることを聞くと……。
「理想としては、丁寧な暮らしをしたいと思っているんです。でも、なかなか思い通りにいかなくて。家に着いたらすぐに洗濯機を回して、あれをやって、これをやって……と、やる気は満々なんですけど、帰宅すると、結局、何もせずに寝ちゃうということも……。
きっと、オン・オフが激しいんだと思います。仕事は真面目にやるけれど、家では本当にぐで〜っとしていて、そういう意味ではストレスがないかもしれないです。だから、日々大切にしていることと言えば、健康が一番!ということくらいかな(笑い)」
忙しくて手が回らないときは、母親に助けを求めることもある。「無理をしすぎないことが大事」と高梨さん。
「母に家事を手伝ってもらうこともあります。また、母が作ったおかずを冷蔵庫に入れておいてくれるので、すごく助かります。『お母さんが作ったごはんって、こんなにおいしいんだ!』と感激するほど心に染みるし、健康の秘訣(ひけつ)の一つだと思います。それも、自分の努力ではなく母のおかげですけど。
料理は、夫がいるときはやるようにしています。ただ、彼が神戸に移籍してからかなり減りました。自分のために作る気が起こらなくて」
◇無理に強く見せる必要もない 看護師長の話に役作りのヒント
ドラマで高梨さんが演じる看護師の羽生仁子(はぶ・にこ)は、元気で明るく、子供たちの生死を分ける過酷な現場・PICUの頼れる存在だ。高梨さんは「自分自身、あまり人から頼りにされるタイプではないですし、テキパキと何でもできる人間でもない。ちゃんと演じられているのか不安です」と語る。
「今回、役作りのために実際のPICUを見学させていただいたんです。最初は、患者である子供たちを直視できなかったり、つらい気持ちになったりもしましたが、看護師として、患者さんやご家族ときちんと向き合わなきゃいけない。何が何でも助けたいという強い気持ちが必要だと思いました。
また、お話を聞いた看護師長さんが、とても頼りになるお姉さん!っていう感じだったんです。何気ない話をしているだけなのに、たたずまいや、まとっているオーラにすごく安心感がありました。演じるとき、そういう空気が出せたらいいなと思って、どこかで彼女をイメージしながら演じているところがあります。カンファレンスのときの座り方をちょっとマネしたりして……」
役作りで一番苦労しているのは、「人の死に対してどう向き合ったらいいのかということ」。吉沢亮さん演じる、“しこちゃん先生”こと新米医師の志子田武四郎(しこた・たけしろう)と、安田顕さん演じるPICU科長・植野元との間で羽生の立ち位置を模索している。
「しこちゃん先生は泣き虫だし、植野先生もけっこう涙もろくて、そういう中で、羽生がどう立ち回ったらいいのか悩むことが多いんです。いくらベテラン看護師といっても、患者さんの死と直面したとき、普段どおり平然を保っているのも何か違う。それに、3人の子を持つ母でもある羽生は、きっと子供に対して強い思い入れがあるだろうと思うんです」
そんなときも、ヒントになったのは、現場で働く看護師長の話だった。
「何度、患者さんの死を経験していても感情が揺さぶられたり、引きずったりすることはありますかと聞いたら、『もちろんあります。あのとき、こうしてあげられなかったのか。もっと何かできたんじゃないかと思うととても悲しいし、引きずります』とおっしゃった。その言葉を聞いて、無理に強く見せる必要もないんだなと思いました」
第6話(11月14日放送)では、PICUでずっと意識がない状態が続いていた少年が目を覚ます。彼には心臓移植が必要だが希望しておらず、移植待機の登録もしていない……というストーリー。“しこちゃん先生”をはじめとするPICUのメンバーがどんな治療方針を示し、治療に当たっていくのか注目だ。
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