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取材に応じた吉高由里子さん
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取材に応じた吉高由里子さん

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吉高由里子:今年も「彩りのある年に」 北村匠海と連ドラで大人のラブストーリー

 女優の吉高由里子さんが主演を務め、俳優の北村匠海さんと大人のラブストーリーを繰り広げる連続ドラマ「星降る夜に」(テレビ朝日系、毎週火曜午後9時)が1月17日にスタートする。「毎年、将来振り返ったときに『あの年はこんなことがあった』と思い出せる、彩りのある年になればいいなと思っています。そんな年がいくつもあったらいいですね」と新年への思いを語る吉高さんに、ドラマについて聞いた。

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 「誰もが一度は夢見るようなロマンチックな出会いかも」

 自身が演じる産婦人科医、雪宮鈴(ゆきみや・すず)と、北村さん演じる遺品整理士、柊一星(ひいらぎ・いっせい)の出会いをこう表現した吉高さん。2人の恋は、ソロキャンプで一人酒をしていた鈴の前に現れた一星の不意のキスから始まる。

 「私にはできないからこそ、ロマンチックな出会い方だなと感じます。鈴にとっては“自分の知らない自分”から恋が始まってしまったという感じ。でも、ロマンチックなストーリーが始まるかと思いきや、そうでもないコミカルな部分もあったりして(笑い)」

 一星は生まれつき聴覚を持たず、音のない世界で生きており、手話や筆談、スマホ、ジェスチャーで会話をする。脚本を手がけるのは「セカンドバージン」「大恋愛~僕を忘れる君と」などで知られる大石静さん。情熱的なキスシーンも多々、描かれるという。

 「ラブストーリーを演じるのは恥ずかしいですね。好き、愛しているというせりふは苦手だし、それを地上波で全国に放送されるなんて、私にとっては恥ずかしすぎます(笑い)。

 ですが、年齢的にはこの先、母親役が多くなってくるかもしれないですし、ド直球のラブストーリーを演じる機会も少なくなるかもしれない。今回は楽しんで、自分の中のドキドキも探そうと思っています。

 大石さんが書くせりふは、言葉が直球で情熱的。とても熱を感じます。声に乗せられない思いを手で伝えることがコミュニケーションに厚みを与えているのかもしれません。キスシーンは監督がいろいろと考えてくださっていると思うので、『おおせのままに』という気持ちで演じています(笑い)」

 ある医療裁判がきっかけで大病院を追われ、人に頼ることが苦手で孤独な35歳の鈴と、ストレートで感情表現が豊かな25歳の一星。「人は恋で生まれ変わる。教えてくれたのは、10歳下のあなたでした」というドラマのキャッチコピーが意味するものは……。

 「鈴は、本当はさみしいけれど、さみしい気持ちをどう伝えていいか、どこにぶつけていいかわからないから、とりあえず仕事をする。仕事をしているときは“呼吸ができる”というような人。悲しいことを紛らわせたいとき、忙しい方が救われるというのは、私にもありましたね。

 そんな鈴を一星がグイグイ引っ張っていってくれる。鈴はそういう年下と出会うのも初めてでしょうし、その生命力を新鮮に感じていると思うんです。ふさがった状態の鈴が、一星によって“紡がれて”いく。鈴がどんな人間に変わっていくのか、私も楽しみです」

 ◇

 2022年はNHKドラマ「風よあらしよ」で大正時代の女性解放運動家だった伊藤野枝を演じたほか、岩松了さん作・演出の舞台にも出演。「とても濃密な、学ぶことの多い1年でした」という。

 「『風よあらしよ』で演じた役柄は、とても激しい役でした。読むと30分ぐらい動けなくなる重力のある台本で、初めて知恵熱が出たんです。あまり役を引きずるタイプではないと思っていましたが、役に引きずられている印象でした。それぐらい苦しかった作品。でも、彼女たちのような人がいたことを伝えられたことは良かったと思っています。

 舞台は、6年ぶりで、もう6年たったんだと年月の早さに驚きました。『大人になっていくたびに年月のスピードが増すよ』と昔、周りの大人が言っていたことが身にしみてきて、自分が言う立場になっているのを痛感しました。

 部活動のようにみんなで台本を読むところから始まって、本番があって、地方に行って……とても密度の高い、楽しく刺激的な日々を過ごしました。難しいテーマでしたが、自分に問いかけることも多い作品でした。同じせりふを何百回も言って、日によって自分が話したせりふが昨日と違うように感じることもありましたし、せりふが自分に“こびりついて”離れない。その感覚が新鮮でした」

 2023年をどんな年にしたいか聞くと、こう明かした。

 「毎年、将来、自分が死期を迎えて振り返ったときに『あの年はこんなことがあった』と思い出せる、彩りのある年になればいいなと思っているんです。そのときは気づかなくても、振り返ったときに自分がイキイキしてたって思えたら、すごくうれしい。そんな年がいくつもあったらいいですね。それと最近は、また会いたいなって思ってもらえる人でありたいと思っています」

<プロフィル>

 よしたか・ゆりこ 1988年7月22日生まれ。東京都出身。 2006年に「紀子の食卓」で映画初出演。 2008年に映画「蛇にピアス」で主演を務め、「第32回日本アカデミー賞」新人俳優賞と「第51回ブルーリボン賞」新人賞をダブル受賞。2014年にNHK朝の連続テレビ小説「花子とアン」でヒロインを演じた。2024年にはNHK大河ドラマ「光る君へ」で主演し、紫式部/まひろ役を務める。

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