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取材に応じた長澤まさみさん
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取材に応じた長澤まさみさん

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長澤まさみ:愛を終わらせない方法は「与えること」 実はラブストーリーが苦手 「小っ恥ずかしくて…」

 俳優の長澤まさみさんが出演する映画「四月になれば彼女は」(山田智和監督)が3月22日、公開された。結婚を控えながら、「愛を終わらせない方法、それは何でしょう」という謎かけを残して、突然失踪する弥生を演じた長澤さんに、演じた役柄やプライベートについて聞いた。

 ◇弥生は「自分が演じるためにある役」 愛を終わらせないためには「与えること」

 映画は、小説「世界から猫が消えたなら」や「百花」など、話題作を生み出してきた川村元気さんの同名小説が原作。川村さんとは何度も作品をともにしているが、今回は「当て書きしていただいたような役」と感じた。

 「弥生の行動は突拍子もないし、大胆。理解できないことのほうが多いけれど、弥生を演じられたら、もっと深いところに行ける気がしました」

 弥生は恋人に言いたいことを我慢して、突拍子もない行動に出るが、長澤さん自身はどうなのだろうか。

 「はっきり言えるけど、我慢もしちゃうほうです。でも恋愛に限らず、相手と会話して意思の疎通をするのって大事で、それが思いやりにもなる。我慢してそのまま言えずに終わっちゃうところは今後、改善していきたい」

 主演の佐藤健さんとは、CMでの共演はあったものの、作品では初共演。

 「実はちゃんとお芝居するのは初めてで、意外な発見もありました。佐藤さんは『いい作品でお客さんに楽しんでもらいたい』というサービス精神が旺盛。私の仕事の価値観も理解してくれ、情が深い方だなと気づきました」

 「(『コンフィデンスマンJP』シリーズで演じた)ダー子の時間が長かったので、ラブストーリーは久しぶりかも」という長澤さん。

 「ラブストーリーに出演することが昔から多いのですが、どちらかというと苦手なんです。作品で描かれるような出来事を実生活で送ったことがないし、小っ恥ずかしいじゃん!って(笑い)。でも、かなうなら、年齢に応じた恋愛物語を演じられたらうれしい」

 長澤さんが考える「愛を終わらせない方法」を聞くと……。

 「与えること。求めるだけではバランスが悪くなる。どうしてみんな欲する側になって、相手に求めることばかり考えるんだろう? 愛を注ぐほうを率先してみてもいいんじゃないかな。時と場合によって違うと思うけど、相手と向き合えたら、愛を育てて行く方法も見いだされていくと思います」

 ◇オンオフの切り替えは苦手 時間がありそうな来年はチャレンジの年に

 2000年、12歳で芸能界に入った長澤さん。長く俳優を続けてきて「変わらないこと、変わったことは表裏一体」と振り返る。

 「役に向かう姿勢は変わらないけど、今まで演じてきた人間の数に比例して、役に対しての理解などが深くなっているという変化はあります」

 作品が始まると、その役柄に集中し、プライベートとの切り替えは苦手なタイプ。

 「『はい、きょうの撮影終了』で、切り替えて自分の時間とはなかなかならない。家に帰っても、次の日の撮影のことを考えている。入り込んだほうがやりやすいし、集中したいのでそうしているところもある」

 まとまった休みがあると、やっとプライベートモードになれる。今は料理する時間が癒やされるときだという。

 「作るのは一般的な家庭料理。得意なのは和食です。ベジファースト、鉄分を多めに、など、ある程度の食事のルールが自分の中にあり、実践しています」

 現在36歳。年齢を重ねることへの考えをたずねた。

 「20代は覚えなきゃいけないことも多くて、自分の力を思い切り発揮できないという人も多いと思う。30代は自分を扱いやすくなって、いちばん輝く瞬間だと思う。体力などの心配はこれからじゃないかな」

 健康に過ごすために意識しているのは、「食生活、運動、睡眠、あとは自分の時間を大事にすること」。自分の時間で新たにチャレンジしたいことを聞くと「ピアノ」と返ってきた。

 「今回、ピアノを弾いているシーンがあります。以前、映画『百花』でもお会いした先生に指導を受け、楽器を習うっていいな、と思いました。今年はスケジュール的にちょっと難しそうなので、今年より時間がありそうな来年の目標にして、やりたいことにどんどんチャレンジしたい」

<プロフィル>

 ながさわ・まさみ 1987年生まれ、静岡県出身。2000年、第5回「東宝シンデレラ」オーディションでグランプリを受賞し、同年俳優デビュー。以来、多数の話題作に出演。近年では「コンフィデンスマンJP」シリーズ、映画「MOTHER マザー」「マスカレード・ナイト」「シン・ウルトラマン」「百花」など。現在、Netflix映画「パレード」が配信中。映画「スオミの話をしよう」が9月13日公開予定。

*……映画「四月になれば彼女は」は、4月のある日、精神科医の藤代(ふじしろ)俊(佐藤さん)のもとに、10年前に交際していた初恋の女性・伊予田(いよだ)春(森七菜さん)から初恋の記憶が書かれた手紙が届く。時を同じくして、藤代の婚約者・坂本弥生(長澤さん)が「愛を終わらせない方法、それは何でしょう」という謎かけを残して、突然、姿を消してしまう。東京、ボリビア・ウユニ、チェコ・プラハ、アイスランドなど世界各国を舞台に、藤代は愛する人の姿を探し求める、というストーリー。

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