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俳優の大竹しのぶさんがディズニー&ピクサーの最新映画「インサイド・ヘッド2」(ケルシー・マン監督)の日本語吹き替え版で、9年前の前作に引き続き、カナシミの声優を務めている。主人公の少女、ライリーの成長を描いた今作で9年ぶりに声を担当した思いや、自身や子どもたちの成長期の思い出を聞いた。(前後編の前編)
映画は、大人になると増えていく感情をテーマに、成長して新たな壁に直面する主人公ライリーの物語を描いている。2015年公開の「インサイド・ヘッド」の続編で、ライリーを子供のころから見守る感情のヨロコビ、カナシミ、ムカムカ、ビビリ、イカリのほか、新たな大人の感情としてシンパイ、イイナー、ダリィ、ハズカシが現れる。
◇9年はあっという間「もう人生が終わっちゃう」
大竹さんは、前作に引き続き9年ぶりにカナシミの声優を担当した。その間の9年間をどのように過ごしたのかと尋ねると、「なんだか毎日忙しくて。あっという間に過ぎてしまって、(こんな調子だったら)もう人生が終わっちゃう」と笑う。
「あれから本当に9年たったのかなっていうのが正直な気持ちで。コロナの期間があったからなのかもしれないんですけど、私の中では2年ぐらいしかたっていないように感じています。つまり、ライリーの成長と同じぐらいしかたってないような気がして、カナシミに出会うのも9年ぶりとはとても思えない感じでした」としみじみ語る。
今回、改めて内気で泣き虫だけど誰よりも優しくて仲間思いのカナシミを演じて、新たな発見もあった。
「カナシミは悲しい、悲しいっていうだけだと思っていたんですけど、ライリーを喜ばせたい、ライリーの幸せを願っているのがカナシミなんだと思って。ヨロコビに活躍してほしいと心から思っている。『私はもういいからあなた、行ってちょうだい』という、カナシミはそういう子なんだなって改めて思いましたね。お互いが協力し合って、新しい感情を受け入れていくんだと思います」と語る。
ちなみに今作から登場する新キャラでは「ダリィが好き」という。「人前ではダリィとは言わないですけれど、ダリィって思うことはありますよ」と明かす。
「仕事をしている時は思わないんですけども、休日になると、その分、疲れがどっと出てソファーから動けないというか、何もしたくないっていう、ダリィって感じになります」と笑った。
◇クラスの先頭で引っ張っていた活発だった少女時代
ライリーの成長を描いた作品にちなんで、大竹さん自身の成長期の思い出を聞いた。
「とにかく活発でクラスの子を引っ張っていく方でした。引っ張るがゆえの衝突もありました。例えば、文化祭で私が先頭に立って、クラスのお芝居をやらなくてはいけなくて。それこそダリィって逃げちゃう子がいると、追っかけていって、練習しなさいっていうような子でした。『大竹は好きかもしれないけど、俺たちはやりたくない』とか言われても『やるのよ!』って」
息子と娘(IMALUさん)の母でもある大竹さん。子どもの成長期の思い出は?
「うちの子供たちは私に反発するっていうことはなかったですね。上の子は学校の先生に反抗するということがありました。学校に行きたくないとか。悩んでるんだなって思いましたね」
そんなとき大竹さんは、「女性の先生だったので、女性には更年期っていうものがあってねと(上の子)に教えたんです。そうしたら『中学の思い出』という作文にそのまま書いちゃったんです。『女性には更年期があって無意味にイライラすることがあると母に言われたが……』みたいなことを書いて、学校に呼び出されて」と語り始めた。
学校に呼び出されたり、逆に自分から学校へ足を運んで先生と言い合いになったこともあったといい、“戦う母”だったと子育てに思いをはせていた。
「インサイド・ヘッド2」については、「子供が見たらどう思うんだろうっていうのも興味ありますけど、やっぱり大人に見てほしいなって思います。子育てをしている親御さんやこれからがある若い人にも見てもらいたいですね」と話す。
「ヨロコビを中心に世界が出来上がっていくことを意識して生きていけたらいいなって思います。ヨロコビをみんなで支えるというか、他の感情は出しゃばらず、サポートするというような感じで、カナシミもシンパイもイカリもビビリも必要なんだけど、やっぱり中心にいるのはヨロコビだという世界になればいいなって思います」とメッセージを送った。
後編は、大竹さんの年齢に対する考え方や生き方について聞いた。