10月22日放送の「徹子の部屋」に出演した市毛良枝さん=テレビ朝日提供
俳優の市毛良枝さんが、10月22日放送の黒柳徹子さんの長寿トーク番組「徹子の部屋」(テレビ朝日系)に出演。100歳10カ月でなくなった母親を13年介護した経験や教訓を語った。
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介護に一生懸命になりすぎた最初の頃、「介護うつっぽい状態だったかなと思う」という。病院のスタッフのみんなが心配していたらしい。看護師の勧めでソーシャルワーカーと面談、「(私の話を)聞いてくださって、その間ずっとぼろぼろぼろぼろ泣いていて、泣いている自分に気がついて、これは私おかしいと思ったんです。日常のことを聞かれているだけなのに、こんなに涙が出ちゃうのは、心が絶対普通じゃないなと思った」と振り返った。
自分の生活をちゃんとしないとだめだと思った。自分の時間をまず大事にしようと考え、介護を手伝ってもらえる人を見つけたり、国の制度を使って母親にショートステイをしてもらったりした。「助けてと言うのはすごく大事」といい、どこででも「私、いま困っているんです」と言っていた。「できないとか、助けてとか、言った方がいい」
母親は「腹の立つことばかりでしたし、わがままを通し、私は1度もありがとうとも言われたことはありませんし、よくやったと言ってくれたこともないんですけれど、ネガティブなことも言わなかった」という。例えば、「私がいなければあなたは楽に暮らせるのに」や「私なんか早く死んじゃった方が」などと一切言わなかった。介護をして当たり前でしょという顔をしていた。「最期の最期まで楽しもうと思っていたと思います」
母親には、控えめに、日本の母らしくしていた時代があると思うが、「60代くらいで突然趣味に目覚めた辺りから、父の言うことを無視するようになったり、お友達と出かけて夜遅く帰ったりとかも平気になった」。1番自由にコントロールできる娘との関係になった時、「本性を全開した感じがして。“日本の母”の仮面を全て脱ぎ捨てて、楽しいことしか一切しませんでした」と話した。
手に麻痺が残って、大好きだったパッチワークができなくなると、できる範囲で面白いこと次々に見つけていた。「病院の方に怒られるからやめてちょうだいと言っても、へヘとか言って平気でいたずらをしていました」。にもかかわらず人気者だった。介護スタッフに「ストレスのすごく大きい職場だから、市毛さんのお母さんみたいに気を使わない人、本人が気を使わない人が、こういうところのスタッフにとっては癒やしなんです」と言われた。「なかなか(母親のように)できないと思います。繕っちゃいけないということなんだろうと思う。(母親は)すごくストレートだったので、それが愛していただいた秘訣(ひけつ)なのかなと思います」と語った。
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