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井上真央:“妹キャラ”で主演抜てき 緊張の大河「花燃ゆ」を語る

 女優の井上真央さんが主演し吉田松陰の妹・文(ふみ)の生涯を描くNHK大河ドラマ「花燃ゆ」が4日、スタートする。井上さんが主演に抜てきされたのは、同局によると“妹キャラ”というのが理由の一つだというが、井上さん自身は「そうなのかな?」と自覚はないようで、「議論する藩士の中におにぎりを持っていくような安心できる人物と考えています」と語る。大役について「自分がこんな緊張することがあるんだ、と感じた」と語る井上さんに、意気込みを聞いた。

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 ◇文って誰?という声も

 「花燃ゆ」は、幕末の長州藩士で思想家の吉田松陰の妹・文が主役のオリジナル作品だ。文は長州藩の尊王攘夷(じょうい)派の中心人物・久坂玄瑞(くさか・げんずい)と結婚し、久坂が死去した後は、群馬県初の県令(現在の県知事)の楫取素彦(かとり・もとひこ)と再婚した人物。ドラマでは動乱の幕末の長州で、困難を乗り越えて、まっすぐに生きた文の生涯を描く。脚本はドラマ「1リットルの涙」などの大島里美さんと連続テレビ小説「ぴあの」などの宮村優子さんが担当。音楽は連続テレビ小説「梅ちゃん先生」などの川井憲次さんが手がける。

 吉田松陰は明治維新の精神的指導者として有名だが、妹・文の存在は一般的にはあまり知られていない。井上さんは、そんな人物を演じる難しさや楽しさを「文さんのことを知らない人が多いけれど、調べると波瀾万丈(はらんばんじょう)の人生を送っています。どういう気持ち、決断をしていたのかを埋めていく難しさがありますが、脚本家、プロデューサー、監督とドラマを作り上げていくのが楽しく、演じる面白さがあります」と話す。

 大河ドラマの撮影は、連続テレビ小説(朝ドラ)とともにハードであることでも知られている。朝ドラ「おひさま」をはじめとした数々のドラマ、映画の主演を務めてきた井上さんでも「自分がこんな緊張することがあるんだ……と感じた。朝ドラはスケジュール、体力的に大変だったけれど、考える余裕がなかった。(今回の大河ドラマは)皆さんが役を背負って現場に入る中で、緊張があったのかもしれません。始まったときはラフに入れたけど、シーンを重ねる中で緊張して、見えないプレッシャーを感じています」と苦労があるようだ。

 ◇妹キャラの意識なし

 “妹キャラ”というのが井上さんを起用した理由の一つのようだが、本人は「そうなのかな?」と意識していない様子。しかし、「私自身も(兄がいて)妹ですが、兄に対して常に心配しつつも尊敬しています。共感できるので、兄に対する特別な思いを表現できれば」と話す。また、役作りについて「文は、自分の命を犠牲にしてまでも志のために戦う人達のよりどころで安心できる人物。ただ、こういうふうにしたい……などと最初からあまり決めずに、多くの出会いや別れの中で、変化を遂げることができればと考えています。兄に対する特別な思いを表現できれば」と役柄のイメージを語る。

 松陰を伊勢谷友介さん、高杉晋作を高良健吾さん、久坂玄瑞役を東出昌大さんが演じるなど豪華キャストも話題になっている。井上さんは主演という“座長”の役割について「現場の雰囲気、チームワークが一番大事。朝ドラのときにそういう経験をしたことが大きいですね。楽しくなるように、現場をみんなで作りたい。それが原動力になります。疲れたら、自分だけで悩むようになるので、いろいろな人と話をして、柔軟にやっていきたい」と前向きに語る。

 「変化を遂げる時代の中で、女性として悲しみ、苦しみを乗り越えて、生き抜いた強さを出していければ」と意気込む井上さん。ハードな撮影が続くが「朝ドラでも倒れないことを目標としていました。なかなか倒れないな……と思われるくらいやりたい。精神論だけれど、自分に『倒れない!』と言い聞かせて、気を引き締めています」と自身を鼓舞しながら大役に臨んでいるようだ。激動の時代を生きる“妹”の活躍に注目したい。NHK大河ドラマ「花燃ゆ」は、4日からNHK総合で毎週日曜午後8時ほかで放送。

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