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33歳、海外留学します!:第27回 コンチータ・ヴルストも参加したアイルランドのLGBTQパレード

 アイルランド・ダブリンへ語学留学し、ロンドンに引っ越しをしたエディターでライターのハマコさん=仮名=が、現地の人々とのふれあいなどをリポートする「33歳、海外留学します!」。今回は、アイルランドで行われたLGBTQ(性的少数者)のパレードについてつづります。

 ◇世界初、同性婚を認めたアイルランド

 今年5月、アイルランドが同性の結婚の自由を認めた国になりました。国民投票でその権利を承認したのは、世界で初めてだそうです。日本ではどの程度、話題になっていたか実感がないのですが、私のアイリッシュの友人達はみんな注目している様子でした。すでに私はアイルランドを離れてしまっていたのでフェイスブックでしか様子をうかがえなかったのですが、3月末頃から「投票に行こう!」と投稿する人が増え出していました。

 私の印象では、アイルランドの人々は革新的。前例の有無にこだわる日本人に比べると、その時代の流れをしっかりと見つめて選択をしたり、意見を述べたりする国民性だと思うのです。もしかしたら都市以外の人は保守的かもしれませんが、私がダブリンの生活で感じたアイリッシュマインドには、そういった部分が見られました。

 ◇The Dublin LGBTQ Pride Day

 今回、国民投票の結果を耳にした時も、私は「やっぱり」と思いました。私が賛成していることとは関係なく、きっと多くの人が同性愛の婚姻を受け入れるだろうと予想していたからです。

 その根拠の一つに、昨年参加したLGBTQに関するイベント「The Dublin LGBTQ Pride day」での思い出があります。仲の良かったスイス人の友達が誘ってくれたのがきっかけだったのですが、私は学校の友達と6人でメインイベントの一つであるパレードを見に行きました。

 私はここまで大規模なLGBTQイベントを見たのが初めてで、最初はそのエネルギーに圧倒されてしまいました。パレードを先導する車には、カラフルな衣装やメークで着飾ったダンサー達が乗り込み観衆を盛り上げます。

 序盤は冷静に見ていただけの私達だったのですが、気が付けば先導車にくっついて何キロも歩いていたほど夢中に。大音量の音楽に乗せられて飛んだり跳ねたりしながら、すっかりお祭り騒ぎを堪能しました。集まった人達の熱気はものすごく、ハッピーなんだけど普通のお祭りとはどこか異なる、独特の一体感を感じることができました。

 欧州の大規模な音楽イベント「Eurovision Song Contest」で2014年に優勝した、同性愛者であるコンチータ・ヴルストさんもパレードに参加。ひときわ存在感を放っていました。

 ◇同性愛のこと、政治のことを再考するきっかけに

 私はこのパレードに参加したことで、ヨーロッパにおける同性愛のことや政治について改めて考えさせられました。大学時代から10年以上ずっと仲良くしているゲイの友達がいるのですが、その彼のことも考えたりして、いろいろな意味で意義深い時間を過ごすことができたと思います。

 <プロフィル>

 ハマコ(仮名)。1980年生まれ。大学時代に短期留学を経験したものの、その後は英語と無縁の生活に。東京で会社勤めをした後、フリーランスのエディター、ライターに転身。インタビューの仕事の魅力にはまり、「もっと多くの人と直接会話をしたい! 海外の人にもインタビューしたい」とアイルランド・ダブリンへ留学。ダブリンの学校を修了した後、ロンドンへ引っ越した。

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