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「嫌な女」のワンシーン (C)2016「嫌な女」製作委員会
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「嫌な女」のワンシーン (C)2016「嫌な女」製作委員会

注目映画紹介:「嫌な女」 黒木瞳初監督作は木村佳乃&吉田羊がW主演 不器用な女性の心情描く

 女優の黒木瞳さんが初監督を務めた映画「嫌な女」が25日に公開される。桂望実さんの小説が原作で、黒木さんと鈴木保奈美さんが共演してドラマ化もされている。映画は、男をその気にさせる天性の詐欺師・小谷夏子役を木村佳乃さん、遠縁で真面目一徹の弁護士・石田徹子を吉田羊さんが演じてダブル主演を務め、対照的な2人の女性が向き合い、人生をかみ締めていく姿を描く。歌手の竹内まりやさんが2012年に発表した「いのちの歌」が主題歌に採用されている。

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 一流大学を卒業し、ストレートで司法試験に合格、結婚もしている弁護士・徹子(吉田さん)は、順風満帆に見える生活を送りながらも心が満たされないため、仕事も夫婦生活もうまくいかずに孤独を感じていた。ある日、同い年のいとこの夏子(木村さん)が「婚約破棄で慰謝料を請求されている」と相談にやって来る。徹子は夏子とは長い間会っていなかったが、実は昔から徹子は夏子のことが苦手で、久しぶりの再会をきっかけに、夏子に振り回され……というストーリー。

 黒木さんの初監督作にして、木村さんと吉田さんがダブル主演という豪華な布陣の今作は、対照的な2人の女性が影響し合いながら成長していく物語は、軽やかなタッチで描かれていて素直に楽しめる。建前と本音の使い分けが大事なことが分かっていても、不器用な夏子と徹子の切なさが痛すぎるほど心に響いてくる。ドラマ「僕のヤバイ妻」(フジテレビ系)での怪演が記憶に新しい木村さんのはじけっぷりと、お堅い雰囲気と地味さにあふれる吉田さんのそれぞれの配役が驚くほどはまっている。女性監督ならではの視点によるこまかやな気遣いと演出が利いていて、美しい映像も楽しめる。25日から丸の内ピカデリー(東京都中央区)ほか全国で公開。(遠藤政樹/フリーライター)

 <プロフィル>

 えんどう・まさき=アニメやマンガ、音楽にゲームなど、ジャンルを問わず活動するフリーの編集者・ライター。イラストレーターやフォトショップはもちろん、インタビュー、撮影もオーケーと、どこへでも行き、なんでもこなす、吉川晃司さんをこよなく愛する自称“業界の便利屋”。

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