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ラジオパーソナリティーやコラムニストとして活躍するジェーン・スーさんが、自身の家族を描いたエッセーをドラマ化する「生きるとか死ぬとか父親とか」(テレビ東京系、金曜深夜0時12分)が4月9日からスタートする。ラジオ番組での悩み相談コーナーが大人気で“人生相談の名手”としても知られ、女性からの支持を集めるスーさんに、仕事で大切にしていることや、失敗で落ち込んだときの乗り越え方などについて聞いた。
◇“ジェーン・スー”としてのスタート きっかけは「mixi」
スーさんは、1973年生まれ。新卒でレコード会社に入社。28歳で別のレコード会社に転職して3年働いた後、半年ほど「何もしないで家で寝ていた」という時期を過ごす。31歳でメガネ業界へ転職し、ブランディングディレクションに携わる。その後、実家の仕事を手伝うため、退職した。
“ジェーン・スー”としての活動のスタートは、36歳頃だといい、「『mixi』で日記を書いていたら、読んでくれた雑誌の編集者が『連載を始めませんか?』と声をかけてくれたのが最初ですね」と振り返る。その後は、さまざまな縁があり、作詞やアイドルのプロデュースに関わる音楽関係の仕事、ラジオ番組への出演へと続き、現在に至る。
さまざまな活動を行うスーさんは、「興味の対象を持ち続けることがすごく難しいですね」と話す。「すべての仕事がそうだとは思うんですけど、(経験を重ねると)手癖で文章も書けるし、なにも考えていないのにしゃべれるようになってしまう。やっぱり熱を持って書いたもの、熱を持ってしゃべったものは届く度合いが全然違う。それは技術力は関係ないところなので、そこは一番気にしているところです」と続ける。
好奇心を持ち続けるためには、「ほかのことをやっている時間がないとインプットができないので、仕事を詰め込みすぎないことしかないと思います(笑い)」と話す。忙しい日々の中、どのように気分転換をしているのだろうか。
「昨年コロナ禍となったあたりから1年ぐらい続いているんですけど、週に1回、土曜日に友人たちとZoomでおしゃべりしているんです。それがストレス解消になりますし、あとはマッサージに行っています」と明かす。
◇失敗して落ち込んだら“一時停止” 「ニヤニヤできるものを」 ラジオ番組でお悩み相談コーナーを担当するスーさんは、悩みを抱える人に向けて、「最短で答えを求めるのをやめたほうがいい」と話す。「ダイエットと同じだと思います。『2週間で5キロやせる』みたいなのはすぐ戻るし、つらくて続かない。悩みって自分の性格や、思考のクセがすごく関係しているので、それ自体をちゃんと見つめる時間がないと、根本的な解決にならないと思う。“即解決”じゃない方法、を考えたほうがいいと思います」と話す。
生きていれば、時には失敗し、落ち込んでしまうこともある。そんなときの乗り越え方については、「気分転換の前に、やっぱりどうしても“一時停止”が必要だと思う」とし、「自分を甘やかしたり、『夜、絶対寝られなくなるな』というぐらいの昼寝をしたり(笑い)。『ニヤニヤできるものを用意する』というのがすごく大事だなと思います」と話す。
たとえば、自分が応援している“推し”のグループの写真を眺めたり、ただ可愛いだけの動物の動画を見たり……。“メッセージ性のないもの”と触れ合い、ニヤニヤする時間を持つ。そういった時間を過ごす中、徐々にギアチェンジしていく。「いきなりギアチェンジ、でなくて、やっぱり一時停止が必要かな」とアドバイスをしてくれた。
◇吉田羊が、ヘアバンド&メガネ姿で…「すごくびっくり」
そんなスーさんが、自身と父についてつづったエッセー「生きるとか死ぬとか父親とか」がドラマ化される。スーさんがモデルの主人公・蒲原トキコ(吉田羊さん)は20年前に母を亡くし、今では父の蒲原哲也(國村隼さん)がたった一人の肉親。父についてのエッセーを連載することになり、父に家族の思い出を聞くが、それは楽しい記憶ばかりではなく、母との出会い、全財産の喪失、そして他の女性の影も……というストーリー。
吉田さんがトキコを演じると聞いたときには、「あまりの驚きに、思わず笑ってしまった」というスーさん。「昔から『ジェーン・スーを美しく修正すると吉田羊さんになる』と友人から言われていたので、実際そうなって、こんなに優しい世界があるんだって(笑い)」とユーモアたっぷりに話しながら、「しかも、ヘアバンドとメガネで(スーさんのビジュアルに)寄せていただいたので、それにも驚きました」と振り返る。
ドラマでは、トキコがパーソナリティーを務めるラジオ番組に「お悩み相談のコーナー」が登場し、田中みな実さんがラジオ番組の進行をするアナウンサー役を担当する。「ラジオブースの中で吉田さんと田中さんが、それぞれの役でラジオ番組をやっているのを見学させていただいたんですけど、幽体離脱していつもの自分を見ているような感覚でした。変な感じです」と振り返る。
撮影現場には、父親と一緒に訪れた日もあったといい、「(父とは)『役者さんってすごいね~』って話して。感心しながら見学させていただきました」と話したスーさん。元々は、「きちんと父のことを記しておこう」との思いからスタートさせたエッセーだが、父のことを知るにつれ、自らにも変化があった。
「私の場合、書くことが自己セラピーにもなります。もう一回父との関係を見つめ直して、親子の関係を再定義したという感じです。私の不満として、『父親らしいことをやってくれなかった』ということがずっとあったんですけど、父にも、父親になる前の人生や、夫としての顔があったりして……親っていうのっぺりとした一面でしかなかった父親が立体的に見られるようになって、(父への)理解が深まったり、前のように腹を立てることもだいぶなくなりましたね」。
ドラマは9日から放送がスタートする。「親子って子供が小さいイメージが大きいと思うんですけど、両方とも大人になった親子が、どういうふうに関係を紡ぎ直していくか、というのを見てもらうとうれしいです。気持ちがほぐれるドラマにしていただいていると思うので、ゆっくりリラックスして見てもらえたら」と呼びかけていた。