「コンフィデンスマンJP 英雄編」に主演し取材に応じた長澤まさみさん
女優の長澤まさみさんの主演映画「コンフィデンスマンJP 英雄編」(田中亮監督)が公開された。2018年に放送された連続ドラマから続く人気シリーズの最新作。頭脳明晰(めいせき)で底抜けに明るい信用詐欺師のヒロイン、ダー子を演じた長澤さんに、最新作の見どころや、自身が考えるすてきな女性、暮らしの中で大切にしている時間について聞いた。(全3回)
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◇すてきな人は年齢と関係ない
仕事柄「すてきだなと思う先輩方やスタッフさんたちと出会える機会は多い方だと思います。周りにいる人たちのすてきだなと思う部分を盗みつつ、自分らしさも磨いていきたいですね」と話す長澤さん。
「すてきな人」は年上、年下ともにいて、「すてきな人は年齢で区切られていない」と感じている。
「今は年下の友人も多いんです。彼らの言葉ひとつひとつに心が動かされることもあるし、日々そういったものに触れて感動しながら生きていきたいという思いがあるんです。その一方で、どんなに大変なことがあっても、それを楽しく前向きに乗り越えている先輩方には、尊敬の念しかありません」
自身が大変なときの対処法は年齢を重ねるにつれて変わってきたという。
「若い頃は一人で抱え込んで悩むことが多かった気がします。でも、大変なときはちゃんと『大変だ!』って伝えられるようになりました。どうしていくかは自分で考えますが、時には周りに頼ってみるのもひとつの手だなと思うようになったんです」
◇“自分”のその先を歩みたいなら…
かつて一緒に仕事をした俳優からかけてもらい、心に残っている言葉がある。
「『失敗した時にあれこれ言ってくる人は、そもそも自分と同じ土俵には立っていない。“失敗する”という経験を手にした自分は、その人よりも先を行っている』。それを聞いたときに、なるほどと思えたんです。『失敗も経験のうち』と言いますが、これが本当の失敗という経験をするってことなんだなと思うことができました」
この体験のように「いい言葉は日常の中にたくさんあふれているけど“聞く耳を持てるかどうか”が人生の分かれ道のような気がします」という長澤さん。
「私は、その時々で本当にいい人たちに出会っているし、その人たちの言葉に自分の耳が傾いていたことが良かったんじゃないかな。
人間は朝起きた瞬間からすべて、自分の意思で決めて動くエゴイスティックな生き物だから、自分に意識が集中しがちなのは普通のこと。でも、“その先”を自分が歩んでみたいなら、人の話に耳を傾けて(自分の意識とは)異なるチャレンジをしていかないといけないと思うんです」
(取材・文/渡邊玲子)
*……次回は暮らしの中で大切にしている時間について聞く。
*…「コンフィデンスマンJP 英雄編」▽信用詐欺師(コンフィデンスマン)のダー子(長澤まさみさん)、ボクちゃん(東出昌大さん)、リチャード(小日向文世さん)が、壮大かつ奇想天外な計画で、欲望にまみれた人間たちから大金をだまし取る、痛快エンターテインメントコメディーの最新作。街全体が世界遺産に登録されているマルタ共和国の首都ヴァレッタを舞台に、ダー子は同シリーズおなじみのメンバーや、新たに加わったメンバーとともに迫りくる警察の包囲網をくぐり抜け、壮大な“だまし合いバトル”を繰り広げる。
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