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私が30歳のころ:大竹しのぶさん 後悔しない選択のため「自分と正直に向き合って」 自分を知るには人と対話を インタビュー2回目

 第一線で活躍する著名人の「30歳のころ」から、生きるヒントを探します。第5回は女優の大竹しのぶさん。当時の思い出や、アラサー時代をより輝かせるためのアドバイス、24日から上演される舞台「ピアフ」などについて聞きました。(全3回、編集・取材・文/NAOMI YUMIYAMA)

 恋愛、出産、結婚、キャリア……30歳の頃は人生のさまざまな選択肢があり、悩む年ごろでもある。

 大竹さんは、後悔しない選択をするために大切なのは「自分に正直に向き合うことがいいかもしれません」と語る。

 そんな大竹さん自身、これまで人生の選択をする上で、自分の気持ちに正直に生きてきたという。

 「自分の心に嘘(うそ)をつかないというのはあったかもしれません。結婚するときも迷わなかったし、再婚したときも、お芝居をしたかったらお芝居をしましたし。恋愛も、そうです。相手からもらうものはたくさんあったと思うし、相手にあげるものもいっぱいあったと思います。ただ、30代の恋愛が、自分に良いものだけを与えてくれたかというと、難しいと思う」と、当時を振り返った。

 ◇人と触れ合うことで、自分自身が分かるんです

 ただ、仕事が充実してくる人もいるアラサーの忙しい毎日では、自分に向き合うというのもなかなか難しい。

 そんなアラサーにむけて、大竹さんは、「もっと人と接してみたら」とアドバイスする。

 「人と接することをおすすめするのは、自分のことが分かるから」と、大竹さんは言う。

 「一方向的なSNSを見たり発信したりするよりも、人と話したり、人の目を見たり、笑いあったりすることで、初めて自分の過去も見えるし、未来も見えると思います。ただ、いまはコロナ禍で人と会うのも難しい時期ですよね……。たとえば私はLINEではなく電話をすることが多いんです。それは、電話は会話をすることができるから」と話す。

 24日から上演される舞台「ピアフ」で親友役を演じる梅沢昌代さんとは、今も夜遅くまで電話で話をしているという大竹さん。電話だとそのとき思い出したことや、ふっと感じたことを話せるのがいいのだという。

 「電話の場合、たとえば『私も監督さんにこういうこと言われたんだ』と話すと、『ああいいね、それって』となることがよくあって。それが大切なんじゃないかなと思うんです。人と話すことによって、私も誰かに教えてもらったことを思い出したりできますしね」

 ここ数年は舞台のけいこ場でも、周囲から離れて一人でいる若い俳優が増えている傾向にある、と大竹さんは言う。

 「そういう人には、『もっと自分からどんどん話しかけなきゃだめよ。待っていても人は来てはくれないんだから』と話したこともあります。後になってその俳優さんは、『自分からどんどん話しかけたら、すごく楽しくなりました!』と言いに来てくれました。だからアラサーのみなさんには、一方通行ではない触れ合いを、もう少しだけやってほしいなと思います。自分のことをもっと知るために」

 <プロフィル>

 おおたけ・しのぶ 1957年7月17日生まれ。東京都出身。1975年、映画「青春の門 -筑豊編-」のヒロイン役で本格的に女優デビュー。NHKの朝の連続テレビ小説「水色の時」に出演し、国民的ヒロインに。以降、映画、舞台、テレビドラマ、音楽などジャンルにとらわれず才能を発揮し、話題作に相次いで出演。2021年「母との食卓〜まあいいか3」(幻冬舎)を刊行。NHKラジオ第1で「大竹しのぶの“スピーカーズコーナー”」がレギュラー放送中。

 *……舞台「ピアフ」▽作:パム・ジェムス▽演出:栗山民也▽出演:大竹しのぶ、梅沢昌代、彩輝なお、中河内雅貴、上原理生、竹内將人、山崎大輝、川久保拓司、前田一世、たかお鷹ほか▽上演:シアタークリエ(東京都千代田区)で2月24日~3月18日 大阪公演、博多公演あり

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