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竹内涼真:「六本木クラス」は“どう変えるか”で勝負しない 「真っ向からやるのが、いちばんの醍醐味」

 俳優の竹内涼真さんが主演する連続ドラマ「六本木クラス」(テレビ朝日系、木曜午後9時)が7月7日から放送される。日本でも大ヒットした韓国ドラマ「梨泰院(イテウォン)クラス」の日本オリジナル版。竹内さんは「最初は、僕で大丈夫なのか?とプレッシャーはありましたけど、いまは、心の底からやりたいと思っています。僕らがリメークすることで、この素晴らしい作品を楽しんでもらいたい」と意気込む。話題のヘアスタイルや日本版の見どころ、今年29歳になった自身の20代について話を聞いた。(取材・文/服部広子)

 竹内さんが演じる主人公・宮部新は、「梨泰院クラス」ではパク・ソジュンさんが演じたパク・セロイにあたる。韓国版では、いがぐり頭がトレードマークの“セロイヘア”が話題を呼んだ。

 「今回のドラマの原作になっているマンガ(『六本木クラス~信念を貫いた一発逆転物語~』)のビジュアルに近づけつつ、役の背景になじむようなスタイルに調整しました。僕自身は、最初丸刈りにしようかなと思っていたんですけど(笑い)」

 「六本木クラス」は、ある高校に転校してきた新が、クラスメートで初恋の人となる楠木優香(新木優子さん)や、のちに新の復讐(ふくしゅう)相手となる長屋茂(香川照之さん)とその息子・長屋龍河(早乙女太一さん)と出会うところから始まる。

 「日本の設定に書き換えたところはおのずと内容が変わると思いますが、ストーリーは韓国版とほぼ同じです。では、日本版はどこが違うのか?と言ったら、まず明言しておきたいことは、僕らは、“どう変えるか”というところで勝負をしていないということです。すてきな原作があって、日本を舞台にして真っ向からやってみたらどうなるのか? そこが今回、いちばんの醍醐味(だいごみ)だと思っています」

 日本のみならず、世界のエンターテインメント界を席巻した「梨泰院クラス」。復讐を誓って絶対権力に立ち向かう主人公の姿は、日本版になっても変わらず親しまれるだろう。竹内さんが演じていて感じる新の魅力を聞くと……。

 「自分の弱い部分や自信のないところを正直に出せてしまうところですね。そういう人って、やっぱり人を引きつけますし、正直な人が目の前にいたら自分も正直になれるような気がします。新には一つ固い決意があり、すごく人間くさくて魅力的です。それに一見、人づきあいが不器用に見えるのに、とても人たらしな部分もあって。僕自身は、人に愛されたい人なんだと思って演じています」

 ◇演技の基本がないと気づき自問自答

 4歳からサッカーを始めた竹内さんは、高校時代に東京ヴェルディユースに所属していたが、ケガがきっかけでプロのサッカー選手になるのを断念。芸能界デビューしたのは20歳だった。

 「デビューしてまもなく、『仮面ライダードライブ』のお話をいただきました。すごく恵まれていたと思いますが、僕はずっと焦っていたんです。というのも、ユースで一緒にサッカーをしていた友人はみんな、プロ選手として一生懸命、頑張っていましたから。20代前半は、早く第一線で活躍しなきゃ!という意識が常にあったと思います」

 その名と顔を一気に全国区にしたのは、NHKの連続テレビ小説(朝ドラ)「ひよっこ」。ヒロインの初恋相手の大学生を演じ、人気を博した。当時のインタビューでは、「朝ドラでたくさんの方に知っていただけたことはうれしいですが、まだまだ頑張らなきゃいけない」と語っていた竹内さん。その言葉どおり、20代は「下町ロケット」「陸王」など数多くの話題作に出演した。

 「たくさん作品に出て、いろんな方に知っていただきたいと、目の前の仕事に懸命に取り組んでいました。でも、26歳のころかな、少し行き詰まってしまったんです。理由はしばらく分かりませんでしたが、あるとき気づきました。自分には演技の基本がないんだ、と。

 たとえば、僕が演劇学校を出るとか、どこかで演技を学んでからこの世界に入ったというんだったら、また全然違っていたと思います。でも、僕の場合、ベースもなくただただ、活躍したい! だったから……。

 そんなふうに悩んでいたとき、内田英治監督とお会いしたんです。芝居の話をたくさんして、日本はもちろん、海外の役者たちはどのようなアプローチをして役を作っているのかを聞いて、自分の役づくりと違うことを知りました。カルチャーショックみたいな感じでしたね」

 一度、立ち止まり「本来、自分は何をしたかったのか?」と自問自答した結果――。

 「僕がやりたかったことは、“いい作品を作ることなんだ”と改めて気づきました。スターのようになりたいっていう気持ちはあるけれど、それは二の次だと分かったんです。

 いろいろな本を読みあさって、自分のできる限りの勉強を始めて、アプローチ方法を考え直しました。いい作品づくりをするために、いかに充実した形で臨めるか。いまは、そこを念頭に置いて生活を送るように心がけています。役者の仕事の魅力は、何歳になっても続けられるところだと思っています。いつか根拠のある自信をつけたいです」

 ◇私生活でもやりたいことはたくさん

 プライベートは、熱帯魚の飼育・鑑賞など多趣味。いまハマっていることを聞くと、次々と出てきた。

 「コーヒーにはこだわっています。毎日いろんな豆を試して、(豆の)ひき具合とお湯の温度を合わせたり、どの器具がいいとか仲間と情報交換したり。僕、いつか自分のカフェを持つのが夢なんです。小さなお店で、ある曜日だけ開く店とかいいなと思います。自分の好きなものを詰めこんでやってみたくて。あと、最近はクラフトビールにもハマっていますね。凝り性なんです(笑い)」

 やりたいこともまだまだたくさんあるという。

 「格闘技。あとEバイクと呼ばれる電動自転車も乗ってみたいです。いま、すごくはやっていて、楽しそうじゃないですか。街で見かけると魅力的なんです」

 *……木曜ドラマ「六本木クラス」▽7月7日スタート▽毎週木曜午後9時~テレビ朝日系で放送▽出演は竹内涼真さん、新木優子さん、平手友梨奈さん、香川照之さんほか

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