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後藤真希:歌う理由はプライドとファンの存在 「負けず嫌いの血が騒ぐ」 オリジナル曲への思いも

 元「モーニング娘。」の後藤真希さんが、Prime Videoで配信された音楽バラエティー番組「ザ・マスクド・シンガー」シーズン2で、正体を隠したパフォーマー「ヴィーナス」としてボーカルバトルに挑み、優勝した。アイドルとしてのイメージをリセットして、今のパフォーマンスを見てほしかったという番組への思い、約10年の音楽活動休止をへて2020年に復帰し、歌う理由を聞いた。

 ◇「ゴマキって歌えたんだ」という声にも前向きに

 番組では、正体を隠した有名人12組が、勝ち残りをかけてボーカルバトルを繰り広げ、優勝を目指した。1話ごとに1~2組が敗退して正体を明かすことから、パフォーマーを推理する推理番組としても人気を集めた。

 後藤さんは女性ダンス&ボーカルグループ「SPEED」の「Go! Go! Heaven」など全6曲を披露。歌だけではなくダンスパフォーマンスでも観客やパネリストを魅了した。

 後藤さんは「リハーサルの時点では『絶対に優勝してやる』とは思えていませんでした。でもステージに立つと、『勝ち上がっていかなきゃ』という気持ちになったんです。優勝した時は本当に驚いたし、もう1回モーニング娘。のオーディションに受かった時のような気分でした」と振り返る。

 優勝した後に正体を明かすと、「ごっちん(後藤さんの愛称)だと思ってた」と確信していた人がいる一方で、「ゴマキって歌えたんだ」という声もあったという。

 「アイドルっていうイメージじゃなくて、誰だか分からない状態で自分のパフォーマンスを見てもらえて、声を聞いてもらえる機会を作りたいと思って番組に参加しました。だから『歌えたんだ』と思ってもらえたことは、参加して良かったことの一つかな。それだけ知らない人がいるということも分かって、いい意味で頑張ろうと思いました」と、前向きに話した。

 ◇「自分が輝いていたい」 ファンの存在がモチベーションに

 歌うことは「好きか嫌いかで言えば、好き」という。

 「私が歌うのはプライドだと思います。ファンのみんなは、私がすごく努力してると言ってくれますが、自分が輝いていないと嫌だというプライドがあるから、努力もできるし、何だかんだ歌い続けてる。負けず嫌いの血が、ときどき無性に騒ぐんでしょうね。

 美容が好きで見た目を気にしているのも、ずっと輝いていたい、という気持ちからのような気もします」

 モチベーションになっているのはファンの存在。「私がやること全てに、ファンは付いて来てくれる。だから何かをする時は、ファンのみんなが喜んでくれるかということをまず考えます」

 ◇オリジナル曲は「“勝ち確”になるぐらい自信を持てたら」

 後藤さんは1999年から2002年までモーニング娘。として活動し、ソロでも活動した。2020年に歌手活動を再開してからは、自身のYouTubeチャンネルでLiSAさんの「炎」や4人組ロックバンド「スピッツ」の「チェリー」などをカバーした動画を公開。2021年にはビルボードライブ大阪、同横浜でライブも行った。

 「『ハロー!プロジェクト』にいた頃の歌は、“つんく♂さん節”みたいなものがあった。それを1回リセットして、今は自分の歌いたいように歌えていると思います。生演奏でライブをするのは新鮮で、新しいことに挑戦している気分。少し大人の雰囲気で見せているということもあり、今の私に合った見せ方になっているんじゃないかな」

 今のところは新たにオリジナル曲を出すことは考えていないという。「昔は当たり前のようにやっていましたが、今考えるとオリジナル曲を出すって勝負。最近はそういう勝負をやってないぶん、1曲を出すためにどれだけの人が動いているんだろうとか、すごく深く考えちゃう。その勝負に勝つか負けるかということを考えると不安でたまらない。“勝ち確”になるぐらい自信を持てたら、オリジナル曲も考えるのかもしれません」

 カバーした楽曲やアーティストの名前をきっかけに、後藤さんの動画を見る人もいる。

 「今はまず私の声を覚えてもらう段階だと思っています」と冷静に自身を見つめる。

 9月10日からはカバー曲を中心にしたライブツアーが控えている。「ファンのみんなが『ザ・マスクド・シンガー』を見ているので、ライブへの期待がすごく高い。すごくプレッシャー。ドキドキしちゃう」とうれしそうに話す。

 プライベートでは、エステに通ってみたいという。「大人の女性ってエステに通ってるイメージ。小さい頃から憧れがありました。いろいろな芸能人さんを見ていると、『今日は撮影だから、昨日はエステに行ったのよ』と言っているんですよ」と話す。「エステを取り入れたら、もっと自分を磨けるのかな」と、負けず嫌いな一面をのぞかせた。

<プロフィル>

 ごとう・まき 1985年9月23日、東京都生まれ。「モーニング娘。」のメンバー追加オーディションに合格し、1999年に13歳でデビュー。2001年のソロデビュー曲「愛のバカやろう」がヒットした。昨年は、約10年ぶりに発売した写真集「ramus(ラムス)」(講談社)が話題になった。ソロライブツアー「後藤真希LIVE TOUR 2022『歌ってみた~Songs of You and Me!~』」が9月10日に大阪のYES THEATERでスタート。愛知、東京を巡る。

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