小雪：12年ぶり主演映画で子育て経験生きる　「家でもお母さん、外でもお母さん」

　女優の小雪さんが10月27日、東京都内で開催された、12年ぶりの主演映画「桜色の風が咲く」（松本准平監督、11月4日公開）の完成披露試写会に出席した。3人の子供の母親でもある小雪さんは、幼い子役と共演した撮影現場を振り返って「女性スタッフが少なく、子育て経験があるような方もいらっしゃらないから、家でもお母さん、外でもお母さんみたいだった。そうしないと（子役と）距離感が縮まっていかなかった」とほほ笑んだ。

　撮影以外の時間でも子役を抱いていたことが明かされると「どのくらいのタイミングで眠くなって機嫌が悪くなって“お母さんしかダメになる時間”がくるか、というのもある。その時間とタイミング、おなかをすかせていないか、眠くないか。（子供の撮影では）そこがすごくポイント。経験上、わかっていることもあって、ちょっとお手伝いさせていただいたところはあります」と子育ての経験が役立ったことを明かした。

　映画は、9歳で失明、18歳で聴力を失うも世界初の盲ろう者の大学教授になった東京大学先端科学技術研究センターの福島智教授の実話を描いた。

　智を献身的に支える母・令子を演じた小雪さんは、出演について「プレッシャーがとてもありました。初めて福島先生に会わせていただいて、先生のエネルギーと人間的な懐の豊かさとか、そういったものを感じた上で、計り知れない人生だったんだろうなと思いを馳せました。この作品を、多くの方に伝えないといけないと使命をとても感じ、参加することに意義があるのではないかと思いました」と述懐。

　さらに「3人の子供をもつ母として、いろんな思いが込められています。みなさんが生きている意味、生かされている意味を感じられる作品になっている。それが波紋のように広がれば」とメッセージを送った。

　イベントには智を演じた俳優の田中偉登（たけと）さん、福島智教授、松本監督、結城崇史プロデューサーらも出席した。