世界遺産：ウェールズの山肌に“奇妙な石の階段”　蒸気機関車、城のような豪邸ペンリンキャッスルも　英国スレート鉱山をめぐる

　女優の杏さんがナレーションを務める、TBSのドキュメンタリー番組「世界遺産」（日曜午後6時）。11月6日は「ウェールズ北西部のスレートの景観〜山の形を変えた ウェールズの鉱山～」と題し、英国ウェールズにあるスレート鉱山を取り上げる。

　1000メートル級の山々に囲まれたウェールズ北西部では、あちこちの山肌に岩がむき出しになった“奇妙な石の階段”のようなものが見られる。これは天然の石材・スレートを切り出した跡。ウェールズ産のスレートは高級とされ、広く世界に輸出された。

　18世紀に始まった産業革命により、スレートを運搬する蒸気機関車をはじめとする新しい技術が次々と導入された。蒸気機関車は今は観光用として山あいを走り、人気を博している。

　スレート産業は19世紀後半に最盛期を迎え、未曽有の好景気に沸いた。次々と鉱山ができ、スレート鉱山の麓（ろく）には労働者が住む街がつくられた。当時、世界一の生産量を誇ったペンリン採石場のオーナーの邸宅は、まるで城のように豪華絢爛で“ペンリンキャッスル”と呼ばれている。