連続ドラマ「スカイキャッスル」に出演する小雪さん
俳優の小雪さんが、松下奈緒さん主演の連続ドラマ「スカイキャッスル」(テレビ朝日系、木曜午後9時)で、ケタ外れの報酬を受け取り、担当生徒の志望校合格率100%を誇る受験コーディネーター・九条彩香役を演じている。自身は「受験型の親じゃない」と言う小雪さんに、子育てや仕事で大切にしていることを聞いた。
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◇2拠点生活で自然に詳しくなった子供たち 「うちの子たちは強い」
北の地と東京の「2拠点生活」を送りながら、3人の子供を育てている小雪さんは、「うちは受験はしません」と言う。
「本人がやりたいかどうかによるので、受験のメリット、デメリットを説明して、やりたいと思った時にやるんじゃないかなって思って見ています。『勉強しなさい』と言って勉強してくれる子だったらいいけど、なかなかね。だから言いません。でも、うちの子たちは全然勉強が好きじゃないけど、何日か学校休んだ後のテストで58点を取って、『休んだのに58点も取れたんだよ』ってポジティブに考えられる。朗らかに育っています」
2拠点での生活も子供の育て方に影響しているかは「分からない」と言いつつ、「自然のことを聞いたら答えるのが早いですよ」と話す。
「虫や天気など、自然について詳しい。以前、私が蚊をパチンってたたいて殺したら、『蚊を殺したら、田んぼのお米が育たないんだよ。たくさん刺されてないんだから、殺さないで』って。そういうことをよく知っているんです」
育つ環境で、生きる力がどんどん強くなっている。
「うちの子たちは、『ここで火を起こせるね』とか、『川で水をろ過して飲もうよ』とか、『あそこで魚釣りしたらイワナが釣れる』とか、きょうだいでよく話しています。私がランチを作らなくても、勝手に魚釣りに行って、12歳のお兄ちゃんが魚をさばけるので、『塩焼きかムニエルどっちがいい?』と聞いてくれるようなことも。うちの子は強いと思う。受験して勉強をしっかりする育ち方とどっちがいいかは、大人になってみないと答えは出ませんが、こういうのも多様性かなって思っています」
◇受験をめぐるドロドロ 子供を思ってこその行動だから理解はできる
「スカイキャッスル」は韓国のヒットドラマをリメーク。韓国版を見ていたという小雪さんは、「この完成された素晴らしい作品を私が演じることに、とてもプレッシャーを感じました」という。
「原作の女優さんもすごく大好きな人でしたし、 やっぱりすごく力のある作品なので、私が演じるという点で、どういう風にやっていこうかと悩みどころもありました。それと、韓国ドラマを見ているとバイオレンスなシーンが強すぎるので、日本人が描いた日本社会だとどうなるのかな、という興味もあります」
同作は、受験を通した親や子の人生観、心の闇のようなドロドロしたものを描いていく。
「もし自分が子育てを経験していなくても登場人物の気持ちが分かったかというと、そうじゃないかもしれません。私は受験をさせていないタイプの親なので、この作品に出てくるお母様方の会話には正直ついていけなさそう。ですが、考え方は違っても、子供を思ってこその行動なので、どっちの気持ちも理解できるなとは思います」
◇完璧を目指すと疲れてしまう 「シンプルご飯も最高!」
高校生の頃にモデルとしてキャリアをスタートさせた小雪さん。仕事を続けるうえで、大切にしてきたことを聞いた。
「年齢とともに、仕事に対する価値観っていうのは変わってくると思うんですけれど、 やっぱり家族や仕事、物なども、自分で持っているものが多くなると、できることって限られてくると思います。だから私はいつも、どんな仕事でも、どんな人と会う時でも、どんなシチュエーションでも、“50~60点のパフォーマンスを目指そう”と思っています。俳優業でもなんでも、完璧を求めるとそれだけですごく疲れてしまう。自分も疲れるし、周りも疲れるし、他人にもそれを求めようとするし。 50点から60点を取れるようなパフォーマンスで毎日生きるようにしていると、けっこう楽しめるんです」
うまくできる日、できない日はトントンだと笑う。
「日々のご飯作りも同じです。疲れててご飯しか炊けなかった、っていう日でも、納豆ご飯とか卵かけご飯とか、めちゃくちゃおいしい。『シンプルご飯も最高!』って。みそ汁がつくれたらもっと最高だし、『私、頑張った!』って思えばいいんです」
<プロフィル>
こゆき 1976年12月18日生まれ、神奈川県出身。1995年に女性ファッション誌「non-no」の専属モデルとして活動を始める。1998年の連続ドラマ「恋はあせらず」(フジテレビ系)で俳優デビュー。2005年の映画「ALWAYS 三丁目の夕日」で「第29回日本アカデミー賞」主演女優賞を受賞。3人の子供の母。
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