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日本の名湯:力士が創業 築100年以上、有形文化財のレトロな温泉宿 浴場は貸し切りでゆったり過ごせる 山口・下関の川棚温泉「玉椿旅館」

 山口・下関に川棚(かわたな)温泉という知る人ぞ知る小さな温泉地がある。静かで落ち着いた空気が流れ、実は毛利家代々の殿様や俳人・種田山頭火(たねだ・さんとうか)、そしてフランスのピアニスト、アルフレッド・コルトーに愛されたという逸話を持つ名湯だ。川棚温泉には、力士が創業したというちょっとユニークな背景の国登録有形文化財の温泉宿「玉椿旅館」がある。

 「玉椿旅館」は築100年以上の純和風旅館。山口出身で大阪相撲の玉椿関が、巡業の力士たちのために建てた。当時の趣をそのまま残しつつ、改修や修繕を施して照明やタイルなどをレトロモダンにまとめた木のぬくもりを感じる空間になっている。

 浴場は二つ。どちらも源泉そのままのかけ流し。貸し切りでの利用となるため、気を遣わずゆったりと使える。一つは力士のために作っただけあって浴槽は3000リットルも容量がある。貸し切りで使えるのはとても贅沢(ぜいたく)だ。もう一つは900リットルと小さめだが、二人くらいゆったりつかれる大きさ。貸し切りで使うには十分だ。

 どちらの浴場もガラスやタイル使いがポップでかわいい。湯量も豊富で、常に新鮮な湯が浴槽からあふれている。日帰り入浴は大相撲開催期間のみというのもユニークだ。

 余分な角質を取りのぞき、肌をなめらかにしてくれる効果が期待できる泉質で、保湿力・保温力にも長けており、冷え性や皮膚乾燥症などの症状が緩和されると言われる。

 客室は全4室のみで、1階は庭が眺められる大きめの客室、2階は1人でも宿泊できる小さめのカジュアルな客室だ。1階の客室はダイニングテーブルがあるので部屋食、2階の宿泊者は喫茶としても営業している食事室で食べる。夕食は、10品コース仕立ての会席料理か8品の御膳か選べる。どちらも旬の山陰の山海の幸をたくさん使っており、特に魚や野菜がたっぷり摂れるヘルシーな献立だった。

 <プロフィル>

 朝香。モデル・美肌温泉家。慶応大卒。温泉ソムリエアンバサダーなど数々の温泉資格を持ち、日本温泉気候物理医学会など多数の学会に所属。美容効果が期待できる温泉やその効能をより引き出す入浴法を広めようと日々活動している。自治体の観光PRの監修・アドバイザーなども務める。

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