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パートナーと僕:つるの剛士 50歳、結婚22年で5人の子を持つイクメン 円満の秘訣は「奥さんファースト」

 家族との良好な関係作りのヒントを、著名人に聞く。今回は、2男3女の5人の子どもの父で、“イクメン”として知られ、6月25日に「『心はかけても手はかけず』つるの家伝統・見守り育児 つるのの恩返し」(講談社)を出版する、俳優でタレントのつるの剛士さんに夫婦円満の秘訣(ひけつ)を聞いた。

 ◇人気絶頂期に異例の育休取得 妻への感謝を再確認

 つるのさんは22年前、スタイリストをしていた美紀さんと結婚。4人目の子どもが生まれた2010年、バラエティー番組で大ブレークし、多忙を極めた人気絶頂の時期に育児休暇を取得したことで話題になった。

 「“育休”っていう言葉自体が1人歩きしちゃいましたが、取らざるを得なかったんです。家事も子育ても妻のワンオペ状態で、家の空気も悪かったし、妻とケンカもしちゃうし、仕事もうまくいかないし、これはもう育休を取らなきゃダメだと思って」

 当時は周囲に育休経験者もおらず、申し訳ない気分でいっぱいだったという初めての育休は、なかなかうまくいかなかったと振り返る。

 「家事スキルがほぼゼロで、なにもかも妻に教えてもらったので、妻にとっては、子どもが1人増えるような状態だったかもしれません。実際に家のことをやってみて感じたのは、名前を付けて分類できないような作業の多さ。料理を作った後にシンクに生ゴミが残ったままだったり、洗濯した後に長女と次女の下着がどっちなのかわからなくなってしまったり……」

 自分が経験してみて「当たり前にやってもらっていたことのありがたさに気づいた」といい、妻に対しての「ありがとう」「お疲れさま」の言葉に重みが加わった。

 逆に失敗した言葉があるか聞くと「もう忘れた!」と笑顔で言う。

 「お互いに言われてカチンときた言葉などはあると思いますが、その言葉が出てきたらダメっていうのが本能的にインプットされているので、NGワードとして自分の中で消し去りました。思い出したくもないし、ほじくり返してもしょうがないので」

 ◇“イクメン”と呼ばれるのが嫌 「妻を手伝いたいのが第一」

 第1子の長男と第5子の次男は12歳差。5人を育てる間には、男性の子育て参加など、社会環境もかなり変わった。

 「長男が小さいとき、パパがスリング(抱っこひも)をして街中を歩く姿は珍しかったです。百貨店の乳児室のようなところにもパパは入りづらかったんですけど、僕は子どもを抱いてそういう場所に入るのが誇らしかった。12年たって、男子トイレの個室に子どもを座らせる椅子のあるところができるなど、男性も子育てしやすい環境になってきたと思います。育児は男女問わずするものなので、“イクメン”という言葉は正直好きではないんですが、こういうところに生かされているならば、よかったなと思います」

 “イクメン”と呼ばれることが好きではないというつるのさんには、妻への強い思いがある。

 「育休を取ったときにも“イクメン”と言われたんですが、ちょっと嫌だなと思って。僕は子どものためというより、妻を手伝いたいというのが第一だったからなんです。あくまでも『奧さんファースト』なんで。やっぱり夫婦が原点ですから。家族によっていろんな考え方があると思いますが、僕は妻を家庭内での一番にしているほうがうまくいくと思っています」

 ◇想像以上の50歳 家族との日々を振り返る書籍は「人生前半の総集編」

 5月に50歳の誕生日を迎えた。愛する家族に囲まれ、「想像以上の50歳」だという。

 「結婚する前から子どもは5人ぐらい欲しいなとは思っていたんです。ただ、皆さんから子育ての参考にしていただくようなパパになるとは想像できていなかったです。小さい頃からの『ウルトラマンになる』という夢はしっかりかなえましたが、そこから先は目の前に来たチャンスをその都度つかんで進んできた。ある意味サクセスストーリーです」

 50歳の節目に、子育てメソッドをつづった著書「『心はかけても手はかけず』つるの家伝統・見守り育児 つるのの恩返し」を出版する。

 「50歳になるし、棚卸し的な感じで振り返らせてもらおうかなと出版に至りました。あらためて、今の自分があるのは家族のおかげだと感じさせてもらいましたし、自分が育った環境についても書いた、人生前半の総集編みたいな感じになりました」

 長男は成人し、酒も酌み交わした。次男はまだ小学生だが、育っていき、いずれまた夫婦2人の時間がやってくる。

 「その頃には孫ができて、結局夫婦2人だけという時間にはならないかもしれない。孫を想像しただけで気持ち悪いぐらい可愛がる気がしています(笑)。そんな楽しみもありつつ、妻がとにかくパワフルなので、振り落とされないようについていきたいと思います」

*……「『心はかけても手はかけず』つるの家伝統・見守り育児 つるのの恩返し」(講談社、6月25日発売、1650円)。つるのさんのロングインタビューと、母・3人の妹・愛妻・5人の子の徹底取材で、つるの家伝統の「手はかけずに気をかける」見守り育児と家族仲の良さの秘密が明らかに。保育士資格を持ち、非常勤幼稚園教諭としても勤務する、つるのさんの経験と知識を基にした、子育てや夫婦関係の悩み相談への実践的アドバイスも。

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