人気小説「人狼ゲーム」を題材にした実写作品の劇場版最新作「人狼ゲーム インフェルノ」(綾部真弥監督)が7日に公開された。今年1月からtvkなどで放送された連続ドラマ「人狼ゲーム ロストエデン」との連動作で、「ロストエデン」から出演する男性10人組ユニット「BOYS AND MEN」(ボイメン)の水野勝さん、平松賢人さん、吉原雅斗さんに撮影の裏側などを聞いた。
映画は、1930年ごろに欧州で発生したパーティーゲーム「人狼ゲーム」をモチーフにしたサバイバルサスペンス。強制的に集められた10人の高校生が「人狼」と「村人」となってだまし合い、投票によって生き残りを懸けるゲームに挑む。女優でモデルの武田玲奈さんが7代目のヒロインを務め、人狼ゲームに巻き込まれる高校生の越智一二三(ひふみ)を平松さん、辻遊馬を吉原さんが演じ、ゲームを支配する謎の男を水野さんが演じた。
◇撮影は「鮮度を大事に」 せりふ奪われるハプニングも
同作の撮影を「鮮度を大事にした現場でした」と振り返った吉原さん。特に同シリーズの見どころの一つとなる、生き残りが懸かる投票の前の“バトル”シーンでは、台本のせりふを軸に、俳優陣のアドリブを生かしてリハーサルをした後、本番をし、ほぼ1回でOKとなるライブ感を重視した撮影が行われた。「平松君が僕のせりふをアドリブで言っちゃって、それでOKが出ちゃうこともありました」と苦笑いする。
当の平松さんは、吉原さんのせりふを“奪って”しまったことに「(覚えが)ない」というほど、役にのめり込んだ。演技をするというよりも「(劇中で)イライラしているところは本当にイライラしている。本当にその場に生きている感じで、難しい(と考える)こともなかった」と振り返った。
また水野さんが演じた謎の男は、同シリーズに初めて登場する主催者側の人間。「大事に演じました。謎を楽しんで、細かい目線や表情も見てもらえるとうれしい」という水野さんは、監督からの演出で「AI(人工知能)のように演じる」ことを目指した。撮影前には「なぜ人狼ゲームをやらせているのか」など台本に書かれていない部分を自ら肉付けしたといい、最終的には「(演じた)手応えがないのが手応えでした」と語る。出演シーンは多くないものの「すごく濃い時間を過ごしたし、かけがえのない時間がたくさんありました」と充実した表情を見せた。
◇吉原は殺し合いシーンでメンバーに「情」 平松賢人は青春謳歌?
撮影時は平松さん、吉原さんが相部屋で寝泊まりし、水野さんは一人部屋で過ごしたという。吉原さんは、劇中で殺し合いをする平松さんと同部屋だったことが「キツかった」と振り返り、「(平松さんと)仲が良くて情があるから、割り切るのが大変。勝君(水野さん)の部屋に行って『相部屋はキツいよ。あと6時間で殺し合いだよ』って(話していた)」と繊細な一面をのぞかせた。
一方、平松さんは、水野さんに「遅れてきた青春を謳歌(おうか)していた」と暴露された。水野さんは「名古屋名物のういろうとか、しるこサンドとかを、BOYS AND MENからじゃなく、平松からって差し入れしていました。女性陣に『(役名の)越智君、ありがとねー!』って言われて『全然いいよー』って返しているのを見て腹が立ちましたね」とジョーク交じりに“非難”する。
さらに水野さんは、平松さんが演じた越智が“イケイケ”な役どころであることから「そのキャラクターで現場を盛り上げようという彼なりの役作りだったと思う」と理解を示しつつ、「恋人役の都丸(紗也華)さんを『オレの彼女ッス!』って紹介されて……。こいつ、はしゃいでるなって、普段見ない一面が見えました」と追い打ち。平松さんは「普段は、男10人のグループなのでやっぱり、女性がいるっていうのが新しい感覚で……」と頭をかいた。
◇ボイメンで人狼ゲームが強いのは…
パーティーゲームとしての人狼ゲームは「割と得意」という水野さんと吉原さん。「ボイメンのメンバーで人狼ゲームが強そうなのは」と聞くと、2人は「小林(豊)君ですね」と即答。水野さんは「マジでやばいですよ。ファンの方も知っていますけど『ゆーちゃむでーす』って(可愛く)言っているけど、全然違ってて(実際は)関西のおばちゃん。二面性がある。彼は強敵」といいながらも、「あっさりボロを出して負けるかも」と小林さんの実力が読めない様子。吉原さんは、小林さんのほかに「田中(俊介)君、本田(剛文)君も」と警戒すべきメンバーを挙げた。
また、水野さん、吉原さんから「いちばん弱そう」とされたのは平松さん。水野さんは「彼(平松さん)は純粋なんです。辻本(達規)君、土田(拓海)君、勇翔(ゆうひ)君は僕の駒になれるので、あえて残しますね」とにやり。平松さんは、共演者の時人さんからゲームのコツを教えてもらったといい、「(自分が)村人だと思い込ませると嘘がつけるというのを学んだので、イケると思うんです!」と笑顔で“反論”した。
映画について、平松さんは「ドラマよりも刺激的。血のり(の規制)や(ゲームの)ルールが変わって臨場感あふれる仕上がりになっていると思います」とにっこり。吉原さんは「(ゲームの)役職が公開されながら進行するシーンもあるので、ゲームを知っている人にも、知らない人にも楽しめる」と話し、「殺伐な雰囲気の中で越智(平松さん)と舞(都丸さん)が、学生だなという感じのいちゃつきを見せるシーンが好き」とちゃめっ気たっぷりに話していた。