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稲垣吾郎さんが30日、TOHOシネマズ六本木ヒルズ(東京都港区)で行われた「第31回東京国際映画祭」(TIFF)内のコンペティション部門に出品された主演映画「半世界」(2019年2月公開)の記者会見と舞台あいさつに阪本順治監督と共に登場した。今作は男の友情や絆を描いており、自身の体験を聞かれた稲垣さんは「個人的には古くからの友達とかいないタイプなんですけど(笑い)」と切り出し、「仕事では男のグループでずっとやってきて、形は変わりましたが香取(慎吾)くんと草なぎ(剛)くんと『新しい地図』としてファンの方と共に地図を広げていくことに無我夢中で、友情と仕事の仲間は少し違いますが、そういう絆は僕らにもある。2人にも早く(映画を)見てほしい」と笑顔で語った。
司会の笠井信輔フジテレビアナウンサーから「クールで知的な役などが多かったが、情けないダメおやじ役が新境地。はまってましたね」と言われると、稲垣さんは「はまっていると言われると、少し複雑な心境ではあるんですけど……」と言って笑い、「はまり役という言葉もありますけど、自分が演じるにぴったりな役って何だろうというのは分からなくてもいいと思う。そうじゃないと、これからいろんな役を演じていくこともできない」と持論を語った。
さらに、「ここ数年で自分の環境に変化があって、仕事の仕方も変わり、いろんなことがあった中で役者としては初めての仕事だったので、自分でも見たことがない自分がスクリーンに現れる。この作品に巡り合えたことは幸せ」と感慨深げに話した。“見たことがない自分”とは、「チェーンソーを持って木を伐採したり、頭にタオルを巻きながらみかんを食べていたり、すべてです」と言い、「日本の原風景の中で生活する役者の稲垣吾郎を自分でも見たことがなく、そう思うのは役になり切れていたからなのかな」と自信をのぞかせていた。
映画は、阪本監督が脚本も担当した完全オリジナルストーリー。山中の炭焼き窯で備長炭を作って生計を立てている紘(稲垣さん)のもとに、突然帰郷してきた中学からの旧友で元自衛官の瑛介(長谷川博己さん)が訪れる。仕事にかまけて家のことをしてこなかった紘は、瑛介ともう一人の同級生・光彦(渋川清彦さん)の言葉から仕事と家族に真剣に向き合おうと決意するが……というストーリー。