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「ファッションで防災を日常に」をコンセプトにしたアパレルブランド「M-ZERO」の2020年AWアンバサダーに就任し防災について語った香里奈さん
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「ファッションで防災を日常に」をコンセプトにしたアパレルブランド「M-ZERO」の2020年AWアンバサダーに就任し防災について語った香里奈さん

香里奈:災害時に役立つファッションアイテムを提案 「ルーズソックス」イメージした靴下も

 モデル・女優の香里奈さんが、「ファッションで防災を日常に」をコンセプトにしたアパレルブランド「M-ZERO(エムゼロ)」の2020年AWアンバサダーに就任した。同ブランドは9月1日の「防災の日」に、災害時に役に立つ防水や吸水速乾、防火、抗菌といった機能性を持ったアウターやトップス、パンツなど全6アイテムの予約販売を開始した。同アイテムをプロデュースし、災害に対する「日ごろの備えが大事」と話す香里奈さんに、防災に対する意識などについて聞いた。

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 ◇3・11きっかけに「備え」の大切さを実感 当時はドラマ撮影中

 東日本大震災をきっかけに、防災に対する意識が高まったという香里奈さん。「3・11の当日は、東京都内のスタジオでドラマの撮影中だったのですが、立っていられないほどの揺れを経験したのは初めてでした。その場にいた人たちがみんな一時帰宅困難になってしまったこともありました」と振り返る。

 同震災の被災地を訪れたこともある。長年出演している大型ファッションイベント東京ガールズコレクション×国連の友アジアパシフィックと共に取り組んでいる、SDGs社会貢献活動の一環で訪問した。

 「震災の翌年に(宮城県の)石巻に行ったのですが、壊れた小学校の校舎の3階くらいの高さに線がついていて。『あそこまで津波が来たんだよ』と聞いて、想像を絶する状況に言葉を失いました。2016年には(岩手県)陸前高田市に行き、被災された方にお話を伺いました。前を向いている方々が多くて、逆に私の方が励まされたくらいだったのですが、実は身近な人を亡くされた方もたくさんいらっしゃって……」と明かし、「自分も誰かを悲しませたくないし、悲しみたくないから、日ごろの備えが大事だと実感しました」という。

 「M-ZERO」のブランド名には「『MAGNITUDE ZERO(震度ゼロ)』の日でも、無意識にもしもの事態に備える社会になってほしい」という思いが込められており、香里奈さんの思いと共通する。

 ◇防災バッグには携帯トイレ、ミニラジオ、保温グッズも 愛犬のこと考え…

 防災バッグを常備しているといい「携帯トイレやミニラジオのほかにも、保温グッズやタオルなんかも多めに入れてありますね。やっぱり防災に対する意識があるのとないのとでは、とっさの際の行動が絶対変わってきますし、たった1分の違いでも生死を分けたりしますから」と言葉に力を込める。

 3匹のトイプードルと暮らす愛犬家でもあることから、いざという時にも身一つで避難するのが難しい状況だ。

 「たとえペットOKの避難所でも『1匹だけ』という条件があったりするので、うちの場合は難しいだろうなと思っていて。となると、なるべく安全なエリアに住むしかないのかなと思って、日ごろからハザードマップもチェックするようにしています」と、もしもの場合に備えている。

 ◇身に着ける防災アイテムは新鮮 プロデュースアイテムはソックスにこだわり

 今回「M-ZERO」のアンバサダーやプロデュースを担当するにあたり「身に着けられる防災関連のものって、これまであまり聞いたことがなかったので、新しいなと思いました」という香里奈さん。「私に協力できることがあれば、ぜひやらせていただきたい」と二つ返事で参加を決めたという。

 商品については「いくつかのサンプルの中から商品ごとに色や素材を選んだり、『ここはもうちょっと詰めたほうがいいですね』など、アイデアも出させていただいて。とはいえ防災機能を兼ね備えたアイテムということもあり、縫製の方法など厳密さが必要な部分については、すべてプロの方にお任せしました」と説明する。

 中でも香里奈さんのこだわりは、長時間身に着けていても臭いが気にならないという抗菌・消臭・抗ウイルスなどの機能を持つ「ソックス」だ。

 「女性は足が冷えやすいので、普段はクシュクシュッとしておいて、寒い時は膝上まで伸ばせる方がいいなと思って、ニーハイソックスを提案したんです。パンツの下にはくにしても、短い丈の靴下だと膝のあたりが寒かったりする。イメージは、昔、流行したルーズソックスなんです。ミニスカートでも意外と暖かかったし、ボリュームがあるので、脚が細く見える効果もあるんです」と明かした。

 ◇「自分のファッション+防災」のミックスコーデで「M-ZERO」を日常に

 この日、香里奈さんは「M-ZERO」の防水や耐水圧加工が施されたオレンジのジャケットと黒のパンツという装いで取材に応じた。

 着こなし方を聞いてみると「もちろん上から下まで全部『M-ZERO』でそろえてもいいんですが、防水ジャケットを雨の日に着るだけでもいいし、ソックスをルームウエアとしてはくのもいい。バッグには反射テープがついているので、コンビニに行く時に持ってもいいですよね」と提案。「 『防災×ファッション』というコンセプトではあるんですが、むしろ『自分のファッション+防災』っていう発想の方が、より使いやすいんじゃないかな」とアドバイスする。

 さらに「いまは災害に備えるだけじゃなく、新型コロナウイルスの感染予防もしなければいけないので大変ですが、日常に『M-ZERO』のアイテムをどれか一つ取り入れるだけでも、防災に対する意識が変わってくるんじゃないかと思うんです。いつどこで起きるか分からない災害に備えるためにも、普段から気軽に防災グッズを身に着けておけるといいですよね」と考えを語った。

(取材・文・撮影/渡邊玲子)

 *……香里奈さんが取材時に着用していた「M-ZERO」のアイテムは、防水性・透湿性・保温性にこだわった、軽量インナーダウン付きマウンテンパーカージャケット「WATER-ZERO JACKET」のオレンジ×ベージュ。7万5000円(税抜き)。防炎加工生地を用い、火の粉による衣類の燃焼を軽減する「FIRE-ZERO PANTS」のブラック。1万5000円(同)。

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