映画「朝が来る」の初日舞台あいさつに登場した永作博美さん
女優の永作博美さんが10月23日、東京都内で行われた主演映画「朝が来る」(河瀬直美監督、公開中)の初日舞台あいさつに共演者らと出席。井浦新さんとともに「特別養子縁組」で男児を迎え入れる夫婦を演じた永作さんは、赤ん坊の世話に必要な物をそろえるために井浦さんと2人でショッピングモールに買い出しに行ったことを明かし、「一般の方に写真を撮られたら、ドキドキするなと……」と苦笑いで振り返った。
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2人が買い出しに出かけたのは、河瀬監督の演出法「役積み」のため。撮影前から、演じる役が経験してきたことを実際に体験するなど、役を“リアルに生きる”ための準備期間が設けられる。
永作さんは「すべて赤ん坊のものをそろえてくれと言われて。おくるみも肌着も、よだれ掛け、オムツもミルクも、それを入れるバッグも。すべて自分たちで時間をかけて選んで、自分たちで東京から現場まで持って行った」と話した。また「監督から、(赤ちゃんのグッズについて)黄色にしてくれと指示があったんですが、黄色がなくて。生地屋さんにまで行った」と苦労ものぞかせていた。
永作さんは通常は美術担当者が用意するような、小道具も自ら購入しに行ったと回顧。準備段階の「役積み」は撮影もされず、監督やスタッフも同席していないという。
さらに河瀬監督の撮影では、せりふも台本通りではなく、自然に出てきた言葉を大事にするという。永作さんは「『役積み』があったから、(自身が演じる)佐都子にたどり着いた。現場で毎回、『あなたは今、どう考えるか』ということを突きつけられている感じがした。監督は『あなたはどう判断するか』ということを、いつも見ていた。そして楽しみにしていた。それに応えたいと思ったし、監督の愛情について行こうと思った」と河瀬監督の情熱に触れ、撮影を乗り越えられたと語った。
映画は、辻村深月さんの同名小説が原作。永作さんと井浦さんが演じる子供を持たなかった夫婦が「特別養子縁組」で男児を迎え入れたが、ある日謎の女から「子供を返してください」と一本の電話がかかってくる……というストーリー。この日の舞台あいさつには、蒔田彩珠さん、浅田美代子さん、河瀬監督も登場した。
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