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大雪山国立公園内にある「ぬかびら源泉郷」は、原生林に囲まれた北海道の大自然を体で感じられる温泉地だ。住民よりもエゾシカの方が多いと言われる。すべての施設が、源泉に全く手を加えない100%源泉かけ流しで、「源泉かけ流し宣言」をしている温泉地だ。その中でも、「山の旅籠 山湖荘」は温かみの感じる民芸調のデザインの、全6室の小宿だ。全室リビングに囲炉裏(いろり)があるのがいい。
地下の大浴場は二つで内湯のみ。露天風呂はなくても、名物の洞窟風呂が楽しませてくれる。日帰りでも入浴可能で、日帰り入浴時間は男女別、宿泊者専用時間には貸切利用になる。広い浴室をぜいたくに使えるのは宿泊者にはうれしい特権だ。豪快な造りの洞窟風呂は、ディズニーランドを手掛けた施工会社が作ったそう。
湯は自家源泉。余分な角質などを落とし、さらに保湿してくれる効果が期待できる。湯上りにはなめらかなしっとりした肌になった。殺菌作用もあると考えられ、ニキビや切り傷の回復のサポートも。保温効果も高く、冬でもしっかり芯まで温まる。
飲泉も可能で、客室の冷蔵庫には、冷やした温泉水が用意されている。美容の大敵の一つ便秘の改善や、萎縮性胃炎、胃十二指腸潰瘍、逆流性食道炎の症状緩和に効果が期待できるとされている。
夕食は囲炉裏山賊料理。自家製梅酒にはじまり、ヤマメの囲炉裏焼きやワカサギの天ぷらなど上川地方や糠平(ぬかびら)湖で採れた魚、蕗(ふき)やアイヌネギなど地元で採れた山菜類、エゾシカをふんだんに使った滋味あふれる品々が並ぶ。名物は、北海道で唯一の自家源泉で作る温泉豆腐に、その食後の鍋で作る温泉粥(かゆ)。“なめらかちゅるん”とした食感に、源泉のほどよい塩加減がおいしく、豆のおいしさがたっぷりしみた温泉粥もまた美味だ。
冬は、糠平湖のアイスバブルや雪をまとった旧国鉄士幌線タウシュベツ川橋梁など、みどころもたくさんだ。「山の旅籠 山湖荘」を道東旅行の拠点としてみてはいかがだろう。
<プロフィル>
朝香。モデル・美肌温泉家。慶応大卒。温泉ソムリエアンバサダーなど数々の温泉資格を持ち、日本温泉気候物理医学会など多数の学会に所属。美容効果が期待できる温泉やその効能をより引き出す入浴法を広めようと日々活動している。自治体の観光PRの監修・アドバイザーなども務める。