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1月5日スタートの連続ドラマ「夫に間違いありません」(カンテレ・フジテレビ系、月曜午後10時)で主演を務める俳優の松下奈緒さん。今回演じる母親役をどんな人物にしたいのかや、今後やってみたい役柄などを聞いた。(前後編の後編)
◇「子どもへの愛情は誰しもが持てる」 母親役の経験を重ね感じていること
ドラマは、川で発見された遺体を警視庁が家族に引き渡すも、後日その男性が帰宅し、遺体が取り違えられていた事実が発覚したという事件に着想を得たヒューマンサスペンス。松下さんは、2人の子どもと義母の面倒を見ながら「あさひおでん」を切り盛りする朝比聖子を演じる。
「最近、お母さんの役をいただくことがすごく多いんです。私自身は子どもはいませんが、女性だからこそ感じる子どもへの思いや、いとおしく思う気持ち、その子が今何を思っているのか、何を感じているのかなと考えます。もちろん実際にお母さんの経験がある人のほうが子どもの気持ちを分かるのかもしれませんが、どこかでやっぱりなんか子どもへの愛情は誰しもが持てる感情だとも思います」
台本を読んだときに、すごくいい子たちだと思い、「こんなにすてきな家族を作れた聖子は、女性としても母親としてもすごく魅力的な人なんだろうなと感じた」という。
「台本に書いてあることを役にスムーズに落とせることが、いいお母さんになれる近道かなと思いました。もちろん、台本に書かれていることがすべてではないけれども、お母さんの声のトーンとか、視線や優しさっていうのはすごく想像がつくような脚本だったので、助けてもらいましたね」
◇母はたくましく強い 「窮地に追い込まれて底力を発揮できるか」
いろいろなタイプの母親役を演じているが、今回はどんな母親像を目指したいのかを聞いた。
「聖子は、本当に優しいし、でもたぶん厳しいことも言うと思うんですよね。ただ、子どもを一番に考えている。それはどのお母さんもそうですけど、子どものことを考えているからこそ、聖子のようなことが起こってしまう。
どんな母親像にも言えると思うんですけど、やっぱりたくましいなと思うし、守るべきものがあるってすごく強いなって思うし、揺るがない何かを必ず持っている。窮地に追い込まれた時にどれだけの底力を発揮できるか、それはある意味お父さんよりもパワーがある。一般的に、父親が出てくる時って最終的なことが多いと思うんですけど、母親はいろんなことを見て、感じているし、日々のことを全部パワーにしている、目指すのはそういうお母さんです」
家族のために嘘をついてしまう聖子には、強さがあると同時に「すごく繊細な人だとも思う」と話す。
「自分の子ども時代の境遇も含めて、家族というものにすごく敏感に反応するタイプ。愛情に飢えていた部分もあったけれども、与えられていた瞬間もあった。だから、家族が壊れる瞬間も、家族のありがたみや幸せ、家族からもらうものも、その両方を知っているっていうのはなかなかないと思います。旦那さんに対しても、子どもたちに対しても、今自分がしてあげられることは何なんだろうっていうのは、常に考えているお母さんですね」
◇救いようのないほどの悪女を演じてみたい
俳優としてのキャリアは20年以上。「今は聖子のことで頭がいっぱい」と言いつつ、「一度もやっていない本当の悪女をやってみたい」と話す。
「子どものために一生懸命になるあまり、悪いことやずる賢いことをしてしまう母親役などは演じてきましたが、どうしようもない、救いようのないほどの悪女、例えば、お金のためならなんでもやる、みたいな役。一度やってみたいと思うんですけど……。
どんな役を演じるときも、もともとの印象やイメージをどこかしら裏切っていきたいし、そうすれば新鮮な役になり得るので、常に目標にしてチャレンジしています」
そういう意味では、今回の役どころはイメージを裏切られるかもしれない。
「正義感の強い母親役と聞いて、『なんか想像できるな』と思われる方もいらっしゃるかもしれないんですけど、『ただいつもとは違うよ』って。この作品に出会えたことでどんな裏切りができるのか自分自身でも楽しみですし、ご覧いただく方に楽しんでいただきたいです」
<プロフィル>
まつした なお 1985年2月8日生まれ。兵庫県川西市出身。3歳からピアノを習い、東京音楽大学音楽学部音楽学科ピアノ専攻に入学。在学中の2004年、俳優デビュー。2010年度前期の連続テレビ小説「ゲゲゲの女房」(NHK)に主演。ミュージシャンとしてもCDリリースやコンサートなどを行っている。