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鹿児島県の天降川沿いを中心に温泉宿が立ち並ぶ妙見温泉は、湯治宿から高級宿まで多彩。中でも茅葺(かやぶ)き屋根の宿場「忘れの里 雅叙苑」(霧島市)は、鶏が闊歩(かっぽ)し、囲炉裏(いろり)から炭火が立ち上り、そこだけ時が止まったかのようだ。かつての日本の農村の風景がそこにある。その唯一無二の世界観とホスピタリティーにより、2025年に2ミシュランキーを獲得した。
豊富な湯量の2本の源泉を有し、三つの浴場と8室ある客室のすべてに温泉が付いている。三つの浴場のうち二つが日帰り入浴時間外は貸切利用の「建湯」、一つが「ラムネ湯」で完全貸切で利用。また源泉の1本は「ラムネ湯」、もう1本は各客室や「建湯」に。
「ラムネ湯」は、浴槽下から大量に湧く鮮度抜群な湯で、二酸化炭素が多く含まれていると考えられている。約36度とぬるめだがじんわりと体が温まってくる。
「建湯」「ラムネ湯」や客室温泉の湯は、余分な角質をオフし肌に潤いを与え、血流を促進して体を芯から温める効果が期待できる。また「建湯」の浴槽は、20トンもの一枚岩を半年かけてくりぬいたもの。その豪快さ粗さが雅叙苑の雰囲気によく合う。
雅叙苑は、露天風呂付客室を生み出したパイオニアでもある。1978年に誕生した露天風呂付客室「風」は業界に大きな衝撃を与えた。また「お風呂リビング」という客室も。浴室のスペースを大きく取り、湯あがりに寛げるベッドやソファ、冷蔵庫、タオルが備えられている。空調も行き届き、気温に関係なく快適な湯浴(あ)みを楽しめるのだ。
食事は、自家菜園や養鶏場などで丹精込めて育てた野菜や地鶏と、錦江湾で獲れた新鮮な旬の魚介類を中心に。鹿児島の郷土料理も盛り込んだ和のコースだ。素材の力強さと優しさを感じる、素朴で滋味あふれる料理に心まで癒やされる。
徹底した世界観、上質な湯、心もこもった料理。日常の忙(さわ)しなさを忘れることができる、まさに日本人の心の原風景、忘れの里だ。
<プロフィル>
朝香。モデル・美肌温泉家。慶応大卒。温泉ソムリエアンバサダーなど数々の温泉資格を持ち、日本温泉気候物理医学会など多数の学会に所属。美容効果が期待できる温泉やその効能をより引き出す入浴法を広めようと日々活動している。自治体の観光PRの監修・アドバイザーなども務める。