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竹内涼真:「30代は修行の期間。あせらず、真面目に」 30歳目前の心境語る ドラマ「ペルソナの密告」で難役に挑戦

 俳優の竹内涼真さんが出演するテレビ東京系のドラマスペシャル「ペルソナの密告 3つの顔をもつ容疑者」が3月24日午後8時から放送される。同作で連続誘拐事件の容疑者であり、解離性同一性障害(DID)を抱える難役に挑戦した。今年、芸能界入りから10年、4月に30歳を迎える竹内さんに30代で挑戦したいことや、今回の役作りについて聞いた。

 ◇見たことのない景色を見てみたい

 2013年に女性ファッション誌の男性モデルオーディションでグランプリを獲得し芸能界入り。2014年に特撮ドラマ「仮面ライダードライブ」の主演に抜てきされた。その後、「下町ロケット」「ひよっこ」「過保護のカホコ」「陸王」などの話題作に出演。2020年に連続ドラマ「テセウスの船」、2021年に「君と世界が終わる日に」、2022年に「六本木クラス」で主演を務めるなど、20代は常に注目を浴び続けてきた。

 4月には30歳になる。30代に挑戦したいこと、成し遂げたいことは何か。そう尋ねると、竹内さんはさらなる成長を見据え、海外での挑戦を口にする。

 「語学を頑張って、国内外問わず仕事をしたいですね。少しずついろんなことに挑戦してみたい気持ちはあります。やっぱり見たことのない景色を見てみたいです。第一線で作品をクリエーティブに作っている方たちの感覚はどういうものなのか、知りたいです。あと、演技の勉強ももっと頑張りたいです」

 30代は“修行”の年代だととらえている、と竹内さん。今年は芸能界デビュー10周年の節目でもあるが、そこにもあまり関心はなく、今は前のみを見据えている。

 「30代は、僕は修行の年齢だと思っています。40代や50代あたりで俳優のピークが来たら楽しいだろうなと思っているんです。『10周年』を祝ってくださるのは、すごくうれしいことなのですが、僕自身はあまり意識していなくて(笑い)。修行期間だなと思っています。あせらず、真面目にやっていこうと思ってます」

 ◇人格が“チェンジ”する難役に挑戦

 「ペルソナの密告 3つの顔をもつ容疑者」は、俳優の沢村一樹さんが主演。ある事件で妻を殺された元刑事で専業主夫・獅子舞亘(沢村さん)が新たな連続誘拐事件をきっかけに真実を導き出していくヒューマンサスペンス。今は高校生の一人娘を育てている亘が、連続誘拐事件の容疑者となった元村周太(竹内さん)から、自分の取り調べを担当するように呼び出され……というストーリー。

 竹内さんが演じる元村周太は、DIDを抱えており、連続誘拐事件の鍵を握る存在。いくつもの人格を抱え、交代人格の中にはカブトという子供も含まれている。難役だが、竹内さんは1カ月半という限られた準備期間の中で資料を読み、子供たちと触れ合い、役に近づいていったという。

 複数の人格を持つ元村。演じるうえで意識していたことは、主人格から人格が“チェンジ”する際の「目が変わる瞬間」だったと明かす。

 「『目が変わる瞬間を撮っていきたい』と監督が言ってくださったので、そこは意識しました。ドラマを見た方は『目が鋭くなった』『ちょっとやさしくなった』と表現するかもしれませんが、僕は『ここは強くしよう、やさしくしよう』という意識はないんです。主人格が交代人格に切り替わった時にいきなり話し出すのではなく、変わったタイミングの余韻がほしい、ということなのかなと。そういう“間”を色とりどりに撮っていきたいということだったので、一生懸命応えました」

 沢村さんとの共演では“キャッチボール”を大事にしていたという。

 「僕がいろいろな人格にチェンジして、沢村さん演じる獅子舞にあらゆる球を投げさせていただいたのですが、大きな懐で受け止めてくださるので、沢村さんとのお芝居は楽しいですね。目の前のキャッチボールを大切にしてくださるから、その場で生まれるものもたくさんあります。だから、僕もあまり現場に(芝居のプランを)決めていかずに2人でキャッチボールをしながら、いい距離感でお芝居させていただきました」

 そんな竹内さんが思うドラマの見どころの一つは、やはり自身の“人格チェンジ”の部分だ。

 「交代人格が登場するサスペンスというと、自分の知らないところで犯罪が起きていたり、他人を痛めつけていたり……と事件性に重きを置かれることが多いですが、今回は自分を守るため、自分の愛情を勝ち取るために生きている姿をフィーチャーしているので、それは、今までになかったんじゃないかなと思います。人格がチェンジするシーンはすごく楽しめると思います」

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