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檜風呂。朝からチェックアウトまではこの風呂を貸し切りで使用する
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檜風呂。朝からチェックアウトまではこの風呂を貸し切りで使用する

日本の名湯:唯一無二の料理でもてなすオーベルジュ 1日2組のみの宿泊で日常を忘れられる 山口・三丘温泉「三水園」

 山口・周南の三丘(みつお)温泉「三水園」は、築70年の昔ながらの純和風の木造建築の温泉オーベルジュだ。宿泊できるのは1日2組のみ。名前と建物こそ和風だが、3代目のオーナー橋本孝義さんの料理は、和や洋そして現代ならではの調理技術を駆使した唯一無二のフュージョン料理。料理と温泉を目当てに訪れる客が引きも切らない。

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 例えば、「加賀太きゅうり合鴨ムース射込み 味噌(みそ)汁の上澄みのあんかけ」。加賀野菜の一つである加賀太きゅうりに合鴨肉を射込んだものだが、合鴨肉は低温調理を施したものを冷燻にし、あんかけは味噌汁の上澄みのみを使った橋本シェフでなくては考えつかない食材や調理法の組み合わせ。燻製の香りと鴨の深い味わいが、絶妙なバランスを生んでいる。

 器も広島・江田島在住の陶芸家・若狭祐介さんの作品を使用するなどこだわっており、和モダンな空間とともに橋本シェフの世界観を表現している。

 「三水園」は、温泉も素晴らしい。浴室は二つあり、ともに内湯のみだがタイル風呂と檜(ひのき)風呂とそれぞれ異なった風情がある。貸切スタイルなのでゆっくり自分の入浴タイムを満喫できるのもいい。浴室にはふんわりと温泉らしい玉子のにおいが漂う。

 湯はほぼ29度の低温泉だ。加温した温泉と源泉そのままの蛇口があり、それらで適温に調節できる。今年のような残暑厳しい秋なら、源泉そのままの温度での使用が気持ちよい。日本では珍しい泉質で痛風や関節リウマチなどの症状の緩和のほか、肌の余分な角質や皮脂などの除去、アトピー性皮膚炎や慢性湿湿疹などの改善といった美肌効果に期待ができる。泉温が低いのに、浸かっているうちにほんのり体がぽかぽかしてくるのも面白い。

 客室は、日本庭園に面した二方を広縁にした離れと、浴室と同じ建物にある客室があるが、断然離れがオススメだ。窓から見える庭園風景が美しく、日常を忘れさせてくれる。

 <プロフィル>

 朝香。モデル・美肌温泉家。慶応大卒。温泉ソムリエアンバサダーなど数々の温泉資格を持ち、日本温泉気候物理医学会など多数の学会に所属。美容効果が期待できる温泉やその効能をより引き出す入浴法を広めようと日々活動している。自治体の観光PRの監修・アドバイザーなども務める。

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