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日本の名湯:氷のホテルの「氷の露天風呂」で特別な温泉体験 北海道「星野リゾート トマム」

 氷でできた冬限定のホテルをご存じだろうか。北欧やカナダなど雪国に見られ、日本にも何カ所かある。しかし宿泊者専用の温泉が付いているのは複合リゾート「星野リゾート トマム」(北海道占冠村)の「氷のホテル」だけだろう。氷点下30度の白樺(しらかば)林の中、氷に覆われた露天風呂「氷の露天風呂」で温泉につかることができるのは、ここだけの特別な体験だ。

 「氷のホテル」は、「氷のBar」や「氷の教会」などが並ぶ「アイスヴィレッジ」の一角にある。1日1組限定で、1月中旬から2月末までの極寒の時期しか泊まれない。ホテルは、氷でできた大きなドーム型で、ベッドやテーブルセットなどもすべて氷。青く幻想的で、フォトジェニックな空間だ。敷かれた毛皮とふかふかのシュラフがあるので、寒さを感じることなく眠れる。

 宿泊者は「氷の露天風呂」を利用できる。氷の露天風呂は、成分の濃い源泉、かつ温度の低い冷鉱泉なので、1対1の割合で加水し、加温している。保湿力に優れ、同時に体を芯から温めて、皮膚乾燥症、冷え症、うつ症状の緩和が期待できる。入浴後の肌はしっとりと潤いが感じられる。

 10分間、入浴しただけでも、体は程よく芯まで温まってほこほこで、急いで脱衣所に戻らなくても平気なほどだ。ホテルから露天風呂までの往復で体が冷えないように、脱衣所はストーブがつき、汗だくになる暑さなので、湯冷めの心配もなさそうだ。

 温泉につかった後は「氷の湯上がり処」でホットドリンクを飲みながら一息つくのがおすすめ。例年、チェックインは午後10時からと遅いが、アイスヴィレッジは同時刻まで営業しているので、氷のBarで一杯飲んだり、アイスリンクでスケートをしたりと、寒さを生かした遊びを満喫しよう。満天の星や、白々と夜が明けるさまを見たり、「星野リゾート トマム」のレストランで夕食をとったりすることもできる。

 *…2020-21ウインターシーズンの詳細情報は8月中旬に、「星野リゾート トマム」のホームページで公開される予定

 <プロフィル>

 朝香 モデル・美肌温泉家。慶応大卒。温泉ソムリエアンバサダーなど数々の温泉資格を持ち、日本温泉気候物理医学会など多数の学会に所属。美容効果が期待できる温泉やその効能をより引き出す入浴法を広めようと日々活動している。自治体の観光PRの監修・アドバイザーなども務める。

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