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日本三大薬湯の一つにも数えられる新潟・松之山温泉の「ひなの宿 ちとせ」は、女性に評判のよい宿だ。玄関で靴を脱いだ瞬間からホッとできる畳や木のぬくもりと、さまざまな美肌効果が期待できる温泉、そして料理が自慢だ。
風呂は、男女おのおの大浴場に内湯一つ、露天風呂一つ。離れに男女交替制の露天風呂一つ、貸切風呂二つがある。湯は透明だが黄緑がかっており、つるつるとした湯ざわりで、日本海側の温泉に多い特徴でもある油の匂いがする。体の芯まで温めてくれ、余分な皮脂や角質を落とし、保湿も期待できるので柔らかくしっとりした肌になる。殺菌効果もあり、ニキビや切り傷の改善も期待できる。まさに美肌の湯だ。
離れの露天風呂は午後1時~同6時半が男性専用。それ以外は女性専用なので、男性がいる場合はなるべく早くチェックインしたい。有料で貸切風呂もあり、宿泊者は午後11時から翌午前7時半まで無料で入浴できる。大浴場の内湯以外は源泉のままで、松之山温泉の素晴らしさを存分に享受できるのがうれしい。立ち寄り湯も可能だ。
湯上がり処では、源泉に一昼夜入れて作った温泉ゆで玉子(1日30個限定)やアイスキャンディ―が自由に食べられる。温泉ゆで玉子は、殻は白いままなのに白身の表面は褐色という不思議なゆで玉子だ。
食事は食事処でとる。松之山の食材にこだわり、洗練さを増して進化した郷土料理と新たに生み出した創作料理が並ぶ。特に68度の源泉に3時間入れて低温調理した“湯治豚”や“湯治牛”は、しっとりとした舌ざわりで食材の持つうまみが十二分に引き出されており、ぜひ食べてほしい逸品だ。
ロビーや廊下など、床に使われているのは畳もしくは木材。客室は和室、和洋室、客室露天風呂付きバリアフリー客室などさまざまなタイプがあり、個々の事情に合わせて選ぶことができる。客室内は喫煙が可能だが、7月19日からはニーズの多かった禁煙室が11部屋に増える。
<プロフィル>
朝香。美肌温泉家。慶応大卒。温泉ソムリエアンバサダーなど数々の温泉の資格を持つ。大学時代に日本中世史を専攻、さまざまな地域の歴史について学ぶ。モデルとして活動する一方、温泉の魅力やその効能を引き出す入浴法を広めようと活動している。