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日本の名湯:浴槽いっぱいに“空”が広がる 大分・ゆふいん束ノ間

 空色。その文字どおりの湯色の温泉が、大分県湯布院の温泉宿「ゆふいん束ノ間」にある。ミルキーブルーやペールブルーの湯色は硫黄泉によく見られる特徴だが、どちらとも違う。「空色」なのだ。大露天風呂の広い湯船の中には、寝転がることができるスペースがあり、そこはまさに空に浮かぶ雲といったところだ。

 「ゆふいん束ノ間」は、由布院の高台にあり、由布岳を臨む自家源泉を所有。源泉に手を加えずにかけ流しているため、温泉の素晴らしさをまるごと享受できる。

 宿泊は、一棟貸しの離れで、全部で10室。それぞれが敷地内に点在しており、1室を除き、すべてに温泉半露天風呂が付いている。離れの風呂はブルーの透明な湯色。浴槽が小さく、湯が劣化してしまう前にあふれ出て、新しい湯に入れ替わっていくので、より鮮度の高い湯を楽しめる。つるつるとした肌ざわりで、肌の余分な角質や皮脂を取り除いてくれる。保湿力があるので、湯上がり後の肌の調子にも効果が期待できる。また保温力に長(た)け、冷え性にもいい。

 離れにはキッチンもあり、簡単な調理もできるが、夕朝食はぜひ築120年以上の古民家をリノベーションした食事処で食べてほしい。源泉で蒸す調理法「地獄蒸し」を中心とした料理が並び、それがまた絶品なのだ。源泉に含まれる塩分が、食材の甘みとうまみを引き出している。地物の旬野菜が多いのもうれしい。

 立ち寄り湯もいいが、温泉付き一棟貸しにしては値段も手ごろなので泊まってゆっくり滞在を楽しむのがおすすめだ。

<プロフィル>

 朝香。モデル・美肌温泉家。慶応大卒。温泉ソムリエアンバサダーなど数々の温泉資格を持ち、日本温泉気候物理医学会など多数の学会に所属。美容効果が期待できる温泉やその効能をより引き出す入浴法を広めようと日々活動している。自治体の観光PRの監修・アドバイザーなども務める。

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