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日本の名湯:低温泉で涼みながら美肌に 和歌山県・花山温泉 薬師の湯

 蒸し暑いこの季節、源泉温度の低い美肌温泉で涼みながら美を磨いてはどうだろうか。JR和歌山駅からタクシーで約10分の温泉「花山温泉 薬師の湯」(和歌山市鳴神)は、地元の人たちの間では“関西最強の温泉”として名高い場所。今年50周年を迎えた。源泉浴槽は、源泉をかけ流しており、26度前後の湯温は、真夏の暑さにほてった体には最高に気持ちがいい。冷たい温泉が苦手な人には、37度と41.5度に加温した浴槽もある。

 成分が濃く、朝一番の湯面には硬いカルシウムの膜が張るほど。これを指でパリパリと割るのが楽しい。茶褐色の濁り湯はキュッキュッとした湯ざわりで、湯あがりにはしっとりとした肌にしてくれる。

 二酸化炭素を豊富に含んでいるため、体中の血管を広げて血行を良くしてくれる。そのため低温にもかかわらず、つかっていると体がぽかぽかしてくる。保温効果にも優れているので、冷え性にもよい。殺菌力や保湿力もあるので、切り傷や肌の乾燥の改善にも効果が期待できる美肌温泉だ。飲泉もできる。飲みすぎはおなかを下すといい、コップに6滴ほど入れ、真水をコップいっぱいに加えて薄めて飲む。便秘や慢性胃炎、胃腸機能の低下の改善が期待できる。鉄も含んでいるので貧血にもいいとされている。

 館内は、昭和の懐かしさが感じられる素朴な雰囲気で、湯あがりにはアイスや、さまざまなドリンクを買って休憩室でのんびり過ごせる。また和歌山特産の南高梅やじゃばらを使ったお菓子などのおみやげも買える。宿泊も可能で、和歌山産の足赤海老や熊野牛、アワビなどを源泉で蒸した50周年記念メニュー「源泉蒸し」もある。

<プロフィル>

 朝香。美肌温泉家。慶応大卒。温泉ソムリエアンバサダーなど数々の温泉の資格を持つ。大学時代に日本中世史を専攻、さまざまな地域の歴史について学ぶ。モデルとして活動する一方、温泉の魅力やその効能を引き出す入浴法を広めようと活動している。

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